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2007年1月の10件の記事

2007年1月30日 (火)

【時習26回3-7の会 0062】~「やはり健康・・その4・・その40歳から年をとらない生き方」

■今泉悟です。【0061】号を配信しましたら、鈴木J司君と金子T久君からmailが届きましたので早速ご紹介致します。
▼まず、鈴木J司君からのmailです。
■淳司君へ、今泉悟です。 ■了解しました。貴君の調整を待ちます。今度は是非再会しましょう。以上
From: jxxx suzuki [mailto:xxx@ybb.ne.jp] Sent: Sunday, January 28, 2007 7:50 PM To: 今泉悟 
●今泉君へ 8月は12-16日が休みなのですが、夜の仕事なので一応11日は都合が悪いだけです。しかし、私の都合で日程を替える必要はないと思います。なんとか日程の調整をしますので予定どおり計画してください。みなさんの都合を考えると11日がベストだと私も思います。最終的な出欠席は後ほどご連絡します。全く大変なご苦労ですが、よろしくお願いします。○○な級長より(^-^)
▼続いて、金子君からです。
■金子君へ、今泉悟です。■昨年は貴兄にとって本当に大変哀しい年でしたね。■ご両親をなくされたこと、衷心よりお悔やみ申し上げます。■にも拘わらず、返信mailを頂戴し恐縮致しております。■今夏の同窓会には是非ご出席賜り度、お待ちしています。以上
From: t_xxxo@xx.jp [mailto:t_xxko@mjp] Sent: Monday, January 29, 2007 7:50 PM To: 今泉悟 Subject: ご無沙汰しています。金子です。 
●今泉様 大変ご無沙汰しています。 貴君からの年賀状に対して何の返事も出さずに申し訳ありませんでした。 喪中であったため寒中見舞いを出そうと思いつつ、タイミングを逸してしまいました。 4月に母が亡くなっただけでなく、実は10月に父も他界してしまい、ダブル喪中でした。 その整理もまだ完了していない状態で、公私共にバタバタが続いています。 年が明けても相変わらずの貴君のパワーには敬服します。 完全におんぶに抱っこ状態ですが、今年もよろしくお願いします。
*** (株)マ○○  第1製造部     金子T久 *** 
   *   *   *
■さて、今日は、『やはり健康・・その4』から石原結實著「40歳から年をとらない生き方」をお贈りします。
【筋肉を鍛えれば「寝たきり」にはならない】
▼老化とは・・ 漢方では「老化」は『腎虚』つまり「腎」に「力がない状態」とみている。「腎」とは西洋医学で言う腎臓は勿論、ホルモンを分泌する副腎、精巣・睾丸(卵巣・子宮)等の生殖器、膀胱、尿路等の泌尿器、更には生命力そのものまでを含めている。加齢とともに、腰や膝が痛い、下肢がむくむ、小水に勢いがない、性力が低下する、といった下半身の力の低下から来る諸症状が表れる。これを『腎虚』と言い、『腎虚』に陥ると、腰痛症、白内障、耳鳴り・難聴、歯周病・歯の喪失等の症状が表れてくる。
▽若い人の臀部や大腿部の筋肉は加齢とともに筋量が減少し、尻が垂れ下がり、大腿部も細くなっているのに気づく。人体にある600以上の筋肉のうち70%以上は下半身に存在する。筋肉の衰えは、尻、大腿部に顕著に表れるのである。
▽この筋肉の衰えは、下半身の血液供給量の低下を招き、下半身に収まっている腎臓、副腎、生殖器、泌尿器の血流低下を起こしてその働きを減退させ、『腎虚』の状態を招来させると考えてよい。
▼人は血管とともに老いる・・ 筋力(量)が低下すると、歩行や立ち居振る舞いがぎこちなく、硬くなる。ことに、下半身の筋力の低下は、腰や膝への体重の負担を増やすために、腰や膝の痛みも招きやすくなるし、変形性膝関節症も発症しやすくなる。(中略)筋肉の衰えは、内面的なものにも多大な影響を与える。
▽筋肉は、鍛えると筋肉の細胞(繊維)は数と体積を増すが、同時に筋肉繊維の周りの毛細血管も増生される。すると、当然血液の循環量や供給量も増える。血液の中には栄養・酸素や白血球、免疫物質が含まれているから、血液の循環がよいところは健康であるし、血液の循環が悪いところは虚弱や病気が発生する。つまり、筋肉が発達したところと、その筋肉が包みこんでいる内臓は血流がよく、いつまでも若々しいし、病気もおこりにくいが、逆に、筋肉が衰えたところは毛細血管が少なくなるので、血流が悪く(冷えていて)老化や疾病がおこりやすくなる。(中略)筋肉(力)の低下は血管そのものが失せてなくなるのであるから、筋肉やその周囲の骨・内臓に、老化と種々の病気をもたらすのは当然の理である。 (・・このつづきは次号へ・・)
   *   *   *
【後記】■そう言えば、前回【0061】号配信の際にお伝えするのを失念しておりましたが、前々回【0060】号から【0061】号の間に号外【16】~【20】まで5回分が【時習26回3-7の会】のブログに掲載されています。ご覧になっていない方でご興味ある方は一度ご高覧下さい。
▼↓↓↓こちらをクリックして下さい。ブログに繋がります。
▼以下、題目だけご紹介します。
▽号外【16】~「『中年クライシス』~母なる遊女~谷崎潤一郎『蘆刈』」~「妖しい心を呼びさますアブナい愛の魔術師 谷崎潤一郎」
▽号外【17】~「小寒」「公立小学校における英語教育」「河合隼雄『中年クライシス』から~夫婦の転生・・志賀直哉『転生』~」
▽号外【18】~「やはり健康・・」
▽号外【19】~「大寒」「バルト三国~杉浦千畝」
▽号外【20】~「『山本勘助』の遺髪塚~長谷寺」「CIS」「ああ結婚、おお夫婦 曽野綾子」「やはり健康・・その2~40歳から年をとらない生き方」
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■今日、最後は西行の辞世の歌で締めくくりたいと思います。如月というと、いつもこの歌が頭に浮びます。
小生の親父は、この歌は国民学校時代に小学生がみんな暗唱させられたので、82歳になっても諳んじられると豪語しています。
願わくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月の頃 (きさらぎ(如月)は2月,望月の頃は満月で15日のこと)
▼西行(1118-1190)は弘川寺を隠棲の地と定め文治6年2月16日没しました。
▼西行の享年は73才。この辞世の歌は60才代中頃の作と言われています。死に臨んで詠まれたものではありませんが、如月(旧暦2月)の望月(15日)と希望した通り2月16日に亡くなりました。2月15日は釈迦の入滅の日でもあり、平安時代から涅槃会として釈迦の遺徳を偲ぶ風習ありました。 (了)

2007年1月28日 (日)

【時習26回3-7の会 0061】~「『2007年【3-7の会】同窓会』開催の件」「【3-7の会】classmatesからの年賀状」「鈴木T三先生」「ああ結婚、おお夫婦~林真理子」

■今泉悟です。久し振りのe-mailです。今日は、大変嬉しいニュースです。昨日の夕刻、鈴木T三先生宅に電話を入れ、先生に今夏の同窓会に出席をお願い致しました。
【『2007年』同窓会開催の件】
■そろそろ今夏の『2007年【3-7の会】同窓会』を始動しようかと思い立ち、今年は昨夏同窓会で皆さんの賛同を得ましたので「恩師鈴木T三先生をお迎えして」賑々しく開催したいと思います。
▼場所はまだ決めていませんが、日取りは『8月11日(土)18時00分~』で進めたいと思います。皆さん、ご予定に入れておいて下さい。もし、都合の悪い方がいましたら、恐縮ですが、小生までmailを頂けますか。日程変更は充分可能なので調整したいと思います。なお、正式なご案内は、先日お知らせしましたように3~4月頃に葉書で出状する予定です。
▼という訳でまず、T三先生にご出席の内諾を得ようと三十有余年振りに先生のご自宅に電話させて頂き「8月の【3-7の会】同窓会『出席のご了解』を頂戴」しました!!! 
【鈴木T三先生の近況】
▼先生は、お声から拝察するに、大変若々しくお過ごしとお見受け(正確にいうと「お聞き受け」かな?)しました。
▼電話の向こうから昭和48年~49年当時と変わらない先生の肉声(のようにはっきり聞えました)とintonationが聞えて来たときは大変懐かしかったです。
19731973_1 ▼先生は昭和18年生まれとのこと。「今年、もう63(歳)だよ。」というのが嘘のように若々しい声でした。我々が教えて頂いた当時は先生も30歳そこそこの若さ・・。高三時代、「春の東山公園への遠足」での先生のsnap-shotを添付しましたのでご高覧下さい。(ついでに小生のその時の写真も見てやって下さい。)
▼先生との会話から一部ご紹介します。~先生は時習館の後、豊橋東、国府、そして最後は御津高校に10年余りお勤めになり、定年後も2年間講師を勤めあげられ、現在は自由を満喫されているとの由。毎日walkingは欠かさないとのことです。
▼8月はいつでもOKなので、8月11日(土)の夜についてご了解を頂戴しました。
▼それから、先生からe-mail addressを教えて頂きました。幹事の特権で、T三先生は【時習26回3-7の会】名誉会員としてご参加頂きますので、みなさん、何卒宜しく。
▼それでは、先生からのmailをご紹介致します。
From: Txxx Suzuki [mailto:xxxxx.ne.jp] Sent: Saturday, January 27, 2007 7:33 PM To: 今泉 悟 
悟君へ 世界が広がる気分です。退職してやや視野がせまくなっているから楽しみが広がります。よろしく。 T
[筆者注:T三先生に喜んで頂けるなんて光栄です。これからドンドンmail等でご意見を下さい。classmatesの皆さんも気軽にmailを下さいネッ。]
【3-7の会】年賀状ご紹介
Classmates2007 ▼今年の年賀状は【3-7の会】のmember43名(小生と所在不明の井沢さんを除く全員)に出状したところ、13名の方からお返事を頂戴しました。当該葉書を13枚纏めて撮影しましたのでご覧下さい。13名の方々は以下の通りです。commentを頂戴した方は併せてご紹介します。それから藤川君からもmailで返事を頂戴しました。皆さん、ありがとう。(五十音順)尚、犬飼(石田)R子さんと渡辺S○子さんからのmailは【0060】号で紹介させて頂いていますので、今回は割愛させて頂きました。悪しからずご了承下さい。
[追伸]e-mail送信先の皆さんに送信後気がつきましたが、山中(高木)K子さんからも藤川君同様、mailで挨拶が来ていたことを失念しておりました。山中さん申し訳ありませんでした。
市川Y○郎君「10月に親会社のK和○○に戻りました。」
伊東M弘君「いつもメールありがとう。」
伊庭R○子さん「次回を楽しみにしています。」
小久保K明君「本年も何とぞよろしくお願い申し上げます。」
下浦Y子さん「昨年は本当にお世話になりありがとうございました今泉君のウンチクに学習意欲がかきたてられます。」
竹内T也君「旧年は御苦労様でした 今年も大変でしょうが がんばてください
田中H直君「時期はずれの賀状となって失礼します正月を挟んで徹夜の連続でバテてしまいましたブログ時々見てますヨウンチクとパワーに感心するばかりです~。
中村H章君「古き道しるべに思いを馳せ街道を歩く。(東海道関宿・中津川市(これより北 木曽路)・足助町・松阪市)」
林K子さん「今年は同窓会に出席したいと思いますお会いできるのを楽しみにしています。」
彦坂T孔君「本年もよろしくお願い申し上げます。」
峯田H幸君「悟君のおかげで、自分の原点に戻った様な気分になれました感謝しています今年もよろしく。」
山田K義君「昨年はお世話になりました今年もよろしくお願いします。」
渡辺S○子さん「今年もよろしくお願いしますクラス 会出席したいものです。」
藤川T男君「わざわざ御連絡ありがとうございますFrom: 藤川 [mailto:xx@ybb.ne.jp] Sent: Sunday, January 07, 2007 8:53 AM To: 今泉悟
山中(高木)K子さん「今年もよろしくお願いします。」
▼[筆者注:皆さんの元気なご様子や皆さんからの過分なる励まし・・幹事冥利につきます・・。]
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【ああ結婚、おお夫婦~林真理子~『不機嫌の椅子』】
▽林真理子氏も結婚生活16年・・。彼女自身が自らの夫婦生活を振り返った16年。「夫へ語りかける一言ひとことが『成程ね・・』と説得力あるessay」です。
▼早いもので、私とあなたとの結婚生活は、そろそろ十六年になろうとしております。月並みな言い方でありますが、自分でもよく続いたものだと感心しております。(中略)
▼十六年前、あなたと結婚する時、仲のよかった編集者からこう言われたことを思い出します。「二年でいい。二年でいいの。二年もったら世の中も納得してくれるし、子どもでもできたら万々歳だ。(中略)」
▼結婚願望を売り物にしている、ブスで売れ残りの女が、ついにゴールインする。しかも相手は、業界とは何の関係もない、まっとうなサラリーマンであることにみんなの興味は集まったようであります。(中略)
▼あなたは、いいとこのお坊ちゃんのうえに世間知らずの技術屋で、私だったら絶対に見逃さないようなマスコミの意地悪さも、我関せず、という感じでありました。私は申しわけなさと有難さとで、本当にこの人に尽くそうと、心から、とは言いませんが、まあ殊勝に思ったりいたしました。
▼やがてあなたがえばり出したのは、いったいいつ頃からだったでしょうか。確か二年目ぐらいと記憶しています。私という女が、実は、言われているほど傲慢でも個性的でもなく、古風な結婚観の持ち主だということにあなたが気づいたからに違いありません。
▼男というものはとっても理不尽な生き物である、と苦労をかけさせられ、つらい思いをする。が、いったん添い遂げたからには一生貫かなければならないという姿勢を、私はたぶん母から受け継いでいたのでありましょう。「母親が父親に接したようにしか、娘は配偶者と生きられない」と、どこかの心理学者も言っています。
▼(中略)グータラで生活力のない父親に、母はどれだけ苦労させられたでしょうか。(中略)
▼その社長さん(筆者注:その社長さんの仲介で両親が見合いし結婚した)の妹で、私が学生の頃からお世話になっているおばさまが会わせてくれたのが、「近所でハンサムで評判の人」というあなたでした。いわば見合いというオーソドックスな出会いです。私はかねてから、マスコミの男性ではなく、コンサバ(筆者注:conservative)なふつうの男性がいいと言っておりましたので、あなたはぴったりの相手だったということになります。
▼が、あまりのあなたのコンサバぶりに、私はすぐにしまった、と思いました。「帰りが遅い」「うちが散らかっている」「お袋の誕生日を忘れた」という小言もさることながら、私が驚いたのは「不機嫌」の持続力です。商いの家に育った私は、イヤなことがあっても、喧嘩をしても、次の朝にはニコニコと食卓につくことを躾けられました。ところがあなたは、何日も口をきかない。(中略)田辺聖子先生は、「不機嫌というのは、男と女が共に棲む場合、一つしかない椅子だと思う。どちらかがそこへ坐ったら、片方は坐れない」という名言をおっしゃっていますが、うちの場合は、まさにそのとおり。あなたがその椅子を長年にわたって独り占めしているのです。私はとにかくあなたがその椅子に座らないよう、気を遣ったり、先まわりしたりの十六年だったような気がします。が、これも私の勝手な言い分かもしれません。なぜなら私があなたの愚痴を訴えると、友人は必ずこう言うからです。
▼「林真理子の旦那であることがどんなに大変なことか。それをしてるだけご主人はすごいよ。えらいよ。立派だよ。」
▼私は結婚当初の負い目がまだあるのでしょうか。
[筆者注:林真理子氏の心の内が何だかよくわかるような気がします・・。真理子のtrauma(トラウマ)か・・?]
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Photo_29 【後記】■今日も小生、財務部長コースのスクーリングで名古屋の栄にある大原簿記学校に行って来ました。その帰り金山にある名古屋ボストン美術館に『ヨーロッパ肖像画とまなざし』展を観て来ました。添付写真はその中からマリー・ルイーズ・ヴィジェ=ル・ブラン(仏 1755-1842)《若い女の肖像(ウォロンゾフ伯爵夫人?)1797年頃 油彩》 この他有名な肖像画としてはピカソ《女性の肖像》、ゴッホ《郵便配達員ジョセフ・ルーラン》、セザンヌ《赤い肘掛け椅子のセザンヌ夫人》等が展示されていました。
▼いろいろ勉強になりました。・・が、個人的には風景画や静物画の方が好きですね・・。
■今日、最後に小生の下手な俳句を一つ・・。
▽あと数日で2月・・。時節は「大寒」。一年中で一番寒さの厳しいときですが、冷たい風が吹きつける中で陽光は大分明るさを増して来ました。夜明けも冬至の時分よりかなり早く明るくなり気分も何となく爽快になります。春の気配が静かですが確かに感じられるようになった今日この頃です・・。 では、どうぞ・・。
如月の 冷たき風に 光る春  (悟空)(お粗末でした・・)(了)
                                

2007年1月23日 (火)

【時習26回3-7の会 号外20】~「異常気象 世界で猛威」「ああ結婚 おお夫婦」「・・やはり健康・・その3」

■今泉悟です。今日1月23日。21日に引き続きblogに掲載します。今日は久し振りに寒い一日でした。
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「異常気象 世界で猛威」
■しかし、昨日までは「暖冬」。『地球温暖化問題』は、今や無視できない大きな地球規模の問題ですね。
■我等が宇宙船『地球号』は先行き本当に大丈夫でしょうか??? 21日(日)の日経新聞の記事からご紹介します。
▼世界各地で異常気象が起きている。日本は暖冬となり、欧米は冬としては異常な高温を記録する一方、オーストラリアは昨年から記録的な干ばつが続く。一方、ブラジルは洪水被害に見舞われている。異常気象をもたらす「エルニーニョ現象」が発生しているためとみられるが、地球温暖化の影響が重なっている可能性も指摘されている。
欧州 ▼欧州ではクリスマス前後の一時期を除き、昨秋から三ヵ月以上も高温が続いている。昨年12月末から今年1月上旬にかけてのパリの毎日の最低、最高気温は平年よりも5~8度も高い。イタリア、スイスとの国境に近いアルプス地方も雨で、雪不足にスキー場は悲鳴をあげている。(筆者注:ロシアのモスクワでも、例年ならば路面が凍結しスケートが出来るところであるが、今年は地肌が見え、スケートできる状況にない。気象観測始まって以来の異常事態とのこと・・。)
インド ▼インドやパキスタンの北部、バングラディシュなどでは年明け以降、広い範囲で厳しい寒波に見舞われている。(中略)インド北部だけで160人以上が死亡した。(中略)パキスタン北部の街ラホールでは7日、1935年以来初めて最低気温が氷点下になった。
米国 ▼(前略)12月の平均気温はニューヨーク、ミネソタなど5州で過去最高だった。年明けも暖かく、ニューヨーク市内では、植物園で桜が開花した。1月10日まで雪が降らず、初雪ならぬ「遅雪記録」を129年ぶりに更新した。
【忍び寄る温暖化の影】~【北極の海氷消滅 予想を2040年夏に30年前倒し
▼気象庁が世界気象機関のデータを解析したところ、世界の平均気温はこれまでの百年間で0.67度上がった。(中略)
▼米国雪氷資料センターが人工衛星で北極の海氷を調べたところ、4年連続で縮小した。05年9月には氷の面積が530万平方キロと、観測が始まった1977年以来、最も小さくなった。平年に比べて166万平方キロの減少で、日本国土の4倍半に相当する面積の氷が失われた計算になる。北極の氷はどこまで減るのか。米国立大気研究センターなどは昨年末、70年夏としていた予想を前倒しした。
【エルニーニョ現象】
▼東太平洋の赤道付近の海水温が上昇する現象。スペイン語で「神の子」を意味するエルニーニョは、クリスマスの時期に現れる現象のため、この名前がついた。世界各地の気象に影響を及ぼすため、各国の気象機関が協力してペルー沖の海水温を中心に監視している。日本の気象庁は、海水温の上昇幅の平均値が6ヵ月以上続けて0.5度以上となった場合を、エルニーニョ現象が発生したとしている。
▼【地球温暖化問題】は大変難しい問題だ・・。世界最大のCO2排出国米国が京都議定書を批准していないし・・、人口13億人の中国と8億人のインドが産業振興により石化燃料を今後湯水のように使用して行くことが容易に想像できるし・・、発展途上の国々に「COs排出を抑制せよ」と言うのは、「先進国のエゴ」と言われれば反論できない・・。
▼いずれにせよ、我々も微力ながら「地球温暖化防止活動の一翼を担う」ことは今後の後半生の一つの目標としてもいいほどの重要課題だと思います。米国元副大統領ゴア氏が「地球温暖化防止」に向け活動をして世界を行脚していることは非常に良いことだと思います。小生も、現在の銀行員生活を終え、少しでも生活にゆとり(=自由時間)ができた時点で是非真剣に社会貢献活動の一環として関わって行きたいと考えています。この道に詳しい方がいらっしゃればご教授頂ければ幸甚です。
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■次は、21日に引き続いて文藝春秋~特別版2007年2月臨時増刊号「ああ結婚、おお夫婦」からのご紹介です。
本物の人生】安藤和津(かづ)氏~( エッセイスト 1948/3/6生 うお座 A型 東京出身 164cm )
Mww9302221 100_1187_71  ※祖父は犬養毅、父は元法相犬飼健。学習院初等科・中等科・高等科を経て上智大学文学部独文学科卒。1979年俳優奥田瑛二氏と結婚。評論家犬飼道子氏は異母姉。国際協力機構理事長の緒方貞子氏は従姉の娘にあたる。
 ※内容が大変興味深いのでほぼ全文を掲載致します。人生とは、「筋書きのないドラマとは良く言ったものだ」を地で行く話です。このessayを読んで、小生も細君から「尊敬」とまで行かなくても、相応に「評価される」夫になれるよう日頃から精進しなければとの思いを新たにしました。彼女の夫への熱い想いと誠実さが確り伝わってくる心温まるessayです。まぁっ、とにかくご高覧下さい。夫婦間の信頼はこうして築き上げれば確固たるものができる。そのためには、とくに夫は「妻から何らかの面でレーゾン・デートル( raison d'etre :存在価値 )を認めさせねばならない」のも事実です。
     *   *   *
▼私にとって夫は厳しい指導者だ。これまでの間、「アンタ何様?」と何度思ってきたことだろう。しかし彼は私を鍛えてくれていたのである。もし彼と結婚してなければ、私は自立できなかっただろうし、自分の能力を超えて努力することもなかったと思う。それほど私は、ひとりでは何もできないヘナチョコだった。
▼過保護で育った私が、初めて周囲に逆らったのは29歳のとき。家柄、学歴、財産、容姿まで揃った相手との結婚を、「いい人だけど、何かが違う・・・」と、とりやめてしまったのだ。その半年後に出会ったのが、駆け出しの俳優、奥田瑛二だったのだから、人生というのはわからない。彼は、食うや食わずのその日暮らし、住むところさえない貧乏役者だったが、文学の話から火のおこし方、(中略)・・ありとあらゆる分野の雑多な知識が豊富で、それまでに付き合った人にはない風変わりな魅力があった。最初は好奇心だったのかもしれない。しかし、親のすねをかじり、自分探しに明け暮れていた私には、彼の目標に向かって生きている姿はまぶしく、純粋さや妥協しない強さに魅かれていった。30歳にして、やっと自分で探しあてた相手だった。
▼この結婚で私の人生は一変した。何しろ洗濯ひとつ、アイロンかけすらやったことがなかったのが、何もかも自分ひとりでやらなくてはならなくなったのだ。しかも貧乏な新婚生活。それでもお金がないということは、新鮮な体験だった。ラーメンをクタクタに煮込んで量を増やすのも、乏しい材料にどんな調味料を使えばおいしく食べられるかを考えたりするのも、楽しかった。そうやって夫は、ゼロからでも大丈夫という勇気を与えてくれたのだ。
▼もちろん、精神面でも鍛えられた。
▼夫の浮気を疑ったとき、ふと鏡を見ると、嫉妬や執着、ネガティブな感情でいっぱいの醜い自分が映っていた。こんな感情はもう、持ちたくない。たとえ彼が目の前にいても、心までも束縛することはできないではないか。プライドが傷つけられても、私は嫉妬や執着といった自分の中の女としての感情を抑えるようになっていった。夫婦の間に男女の感情が消えてしまうのは、いけないことかもしれない。しかし、執着はエゴである。愛情の集中攻撃をしても、自分を苦しめるだけなのだ。そのことに気づいてからは、少しずつ自分も自由になれたように思う。
▼いつの間にか、彼に対しても「夫」以外の本質な面で、信じられるようになっていた。幸いなことに、私は夫が仕事をする姿を見ることができる。あれだけ役者という仕事に、信念と情熱を掛けているのだから、ストレスを家に持ち帰るのは仕方ない。そう思えるようになっていた。これから先、たとえ問題が起こっても、彼に対する尊敬の気持ちがあれば乗り越えられる。言葉で言われたことはないけれど、そう思っている私を、夫が見てくれているのもわかる。気持ちの相互作用というのだろうか。海の水が岩を削るように、私たちも毎日一分一秒が積み重なって、この形にたどりついたのだ。
▼私から見ると、実は彼は気弱な甘えん坊だ。だからこそ私に試練を与え、それでもついてくるかと、ずっと試してきたのだと思う。そのお試し期間が、ようやく終わったと実感できたのは、彼の三作目となる長編映画「長い散歩」で、脚本についてのアドバイスを求められたときである。自分のテリトリーに入ってきてもいいよ、と言われたような気がしている。娘二人も関わったこの作品は、今年のモントリオール世界映画祭で、グランプリ、国際批評家連盟賞、エキュメニック賞を受賞した。今や私たちは、アクの強い夫を中心に、家族というユニットで、仕事も生活も共にする新しい段階に進んだのである。
▼それにしても、夫は、どこまで私を鍛えるつもりだろうか。「生まれ変わっても彼と結婚しますか?」と聞かれるたび、私は答えに窮してしまう。彼との人生は、あまりにハードすぎるから、体力と気力が充分復活してからにしてほしい。それからであれば、謹んでお受けしたい。よく、インドの人は、故郷を離れて食べるカレーは物足りないというが、私にとっても、スパイシーな奥田瑛二と一緒でないと、本物の人生といえないのである。
(筆者注:ここまで奥様に言わしめる奥田瑛二氏が羨ましい・・立派な人物なのでしょう。見習いたいものです・・。小生も細君から「生まれ変わってもあなたと結婚したい」と言わしめる程魅力ある男でありたいと思います。)
     *   *   *
■それでは、続いて、今日最後の話題・・石原結實「40歳から年をとらない生き方」の第2回です。
健康で長生きする食事の仕方アンチ・エイジングに効果的な食事法
(1)根菜類を積極的にとる~「老化」はある面で下半身の筋力の衰えの結果、下半身の血行が悪くなり、下半身に存在している腎臓、副腎、生殖器、泌尿器の力が低下すること、つまり「腎虚」から生じている。(中略)故に、若返りのためには、日頃の食生活の中に、ゴボウ、人参、レンコン、ネギ、玉葱、山芋などの根菜を使った副食をとり入れるとよい。
(2)体を温める食物を積極的にとる~体温低下を防ぎ、硬くなる症状や病気を防ぐには、人体最大の産熱器官である筋肉の鍛錬を怠らないことが最も重要なことになる。また、日頃、入浴、温泉、サウナなどで積極的に体を温めることも大切である。
魚介類は、老化の完全予防食
(1)農漁村を調査した結果、漁民が農民より健康度が優れ、老化するのも遅いという結果が得られた。その理由として、魚にはEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)など動脈硬化を防ぎ、血圧を下げ、血栓を防ぎ、脳の働きをよくする作用がある不飽和脂肪酸が含まれている。
(2)海老、蟹、イカ、蛸、貝類などの魚介類には、タウリンという含アミノ酸が含まれており、次のような優れた効能をもっていることがあげられる。
タウリンの効能
①血液中のコレステロール、中性脂肪を下げる
②血液中の粘椆(ねんちゅう)度を下げて、血液をサラサラにし、血栓を防ぐ
③心臓を強くし、不整脈を防ぐ
④肝機能を強くする
⑤胆石を溶かす
⑥糖尿病を防ぐ
⑦癌の転移を防ぐ
⑧筋肉の疲労をとる
⑨視力を強くし、老眼を防ぐ
塩は体を温め、人間に必要不可欠なもの
(1)塩分摂取の極端な制限、交通機関や洗濯機等電化製品の普及による筋肉労働不足、血栓を防ぐという大義名分のために無理やり飲んでいる大量の水分などが原因となり、日本人は皆、低体温化して免疫力を落とし、癌、アレルギー、自己免疫疾患、感染症などの免疫力低下の病気や、体内で糖や脂肪の燃焼不足による高血糖(糖尿病)、高脂血症、肥満などのメタボリックシンドロームの大きな要因をつくってしまったといっても過言でない。(中略)
(2)生命の歴史や、血液、体液の塩分バランスのそれが酷似していることなどを考えると、「塩が健康に悪いどころか必要不可欠のものである」ことは当然である。  ・・( 以下次号 )・・
     *   *   *
【後記】ところで、たまたま調べ物をしていたところ・・、1月21日になくなった著名人が沢山いましたのでご紹介致します。
1793/1/21 ルイ16世 1899/1/21 勝海舟 1924/1/21 ウラジミール・レーニン(ロシア政治家) 1950/1/21 ジョージ・オーウェル(英国作家) 1996/1/21 横山やすし(漫才師) 一方、誕生日は・・、1940/1/21 ジャック・ニクラウス(米国プロゴルファー) 1941/1/21 プラシド・ドミンゴ(スペイン声楽家(テノール)) (了)

2007年1月21日 (日)

【時習26回3-7の会 号外19】~「『山本勘助』の遺髪塚~長谷寺」「CIS」「ああ結婚 おお夫婦」「・・やはり健康・・その2」

■今泉悟です。今日は1月20日『大寒』です・・で書き始めましたが、すでに日付が変わり21日になってしまいました。20日は、小生はまた名古屋に『総務部長コース』のスクーリングに行って来ました。大変暖かな一日でしたネ。
040416 02040416_1 03040416 ■さて、今年のNHK大河ドラマ「風林火山」は武田信玄の04040416 名軍師「山本勘助」の生涯を描いた作品ですが、皆さんは、山本勘助が豊橋の出身(という説がある・・)、彼の遺髪塚が豊川にあるということをご存知ですか?
▼まず、豊川市牛久保町の長谷寺(「はせでら」ではなく「ちょうこくじ」と読みます)ですが、今夜21日の第3話の本編終了後に、同寺はじめ、牛久保地区が紹介される予定とか・・。
▼長谷寺には、昨年4月16日、城址巡りの仲間旧【3-2】の中嶋君、旧【3-3】の谷山君の3人で設楽ヶ原の合戦跡等を見た帰りに牛久保城址や今川義元墓所とともに見て来ました。06年4月17日付の「【時習26回3-7の会 同窓会】開催ご案内~その1」にてご報告済のものです。写真は浄土宗長谷寺と山本勘助の遺髪塚です。
▼今川義元墓所前で、時習館高校時代の数学の中神先生にお会いした時が、その日です。
▼ついで、豊橋市賀茂町の医王山・本願寺です。こちらは、賀茂町が勘助の出生地とする説もあり、両親とされる墓がある。
「www.russigator[1]」をダウンロード ←CIS11ヶ国の地図です・・。
■続いては、世界地理の時間・・。旧ソ連構成国によりCIS(独立国家共同体)関連の12カ国とその首都等をご案内します。国家名を12カ国言うことは何とか出来ても、それらの首都となると、小生・・「もう、全然わからん・・」・・お手上げの状態です。お恥ずかしい・・。・・でちょっと整理して見ましょう。
ベラルーシ(英語表記:Republic of Belarus(べラルース)) 首都:ミンスク 人口:1,031万人 GDP:619億米ドル(一人当り6,000米ドル)
 ※昔、「白ロシア」と言っていましたね・・。
ウクライナ(英語表記:Ukraine(ユークラインユークレイン)) 首都:キエフ 人口:4,773万人 GDP:2,991億米ドル(一人当り6,300米ドル)
 ※キエフ~ムソルグスキーの展覧会の絵に出て来る「キエフの大門」のキエフですね。
モルドバ共和国(英語表記:―) 首都:キシニョフ(キシナウ) 人口:445万人 GDP:78億米ドル(一人当り1,800米ドル)
アルメニア共和国(英語表記:Republic of Armenia) 首都:エレバン 人口:299万人 GDP:118億米ドル(一人当り3,900米ドル)
 ※Herbert von Karajanはアルメニア人を祖先に持つと言われる。カラヤン、ミコヤン、ハチャトリアン、現大統領ロベルト・コチャリャン、皆同じ韻を踏んだような良く似た名前ですね。
アゼルバイジャン共和国(英語表記:Republic of Azerbaijan(アザバイジャーン)) 首都:バクー 人口:796万人 GDP:263億米ドル(一人当り3,400米ドル)
グルジア共和国(英語表記:Georgia(ジョージア)) 首都:トビリシ 人口:469万人 GDP:122億米ドル(一人当り2,500米ドル)
 ※グルジアが英語の発音では「ジョージア」なんですね・・。
カザフスタン共和国(英語表記:Republic of Kazakhstan) 首都:アスタナ 人口:1,514万人 GDP:1,053億米ドル(一人当り7,000米ドル)
ウズベキスタン共和国(英語表記:Republic of Uzbekistan) 首都:タシケント 人口:2,641万人 GDP:441億米ドル(一人当り1,700米ドル)
キルギスタン共和国(英語表記:Kyrgyz Republic) 首都:ビシュケク 人口:508万人 GDP:77億米ドル(一人当り1,600米ドル)
タジキスタン共和国(英語表記:Republic of Tajikistan) 首都:ドゥシャンベ 人口:644万人 GDP:11億米ドル(一人当り160米ドル)
トルクメニスタン共和国(英語表記:Turkmenistan) 首都:アシガバード 人口:495万人 GDP:271億米ドル(一人当り5,700米ドル)
ロシア共和国 首都:モスクワ 人口:14,289万人 GDP:1兆5,890億米ドル(一人当り11,100米ドル)
日本国 首都:東京 人口:12,777万人 GDP:4兆1,670米ドル(一人当り32,640米ドル)~日本の水準の高さが抜きん出ていますね・・。現在の日本を築いた日本人の先輩諸兄の英知と努力に最敬礼・・。 この日本の繁栄を持続させていくのが我々の世代とその次の世代です・・。我々ももう一踏ん張り、頑張りましょう。
■次は、文藝春秋~特別版2007年2月臨時増刊号「ああ結婚、おお夫婦」から興味深いところを幾つかご紹介しましょう。今日はその中から一つをご紹介します。
「会話と緊張」~曽野綾子
▼(前略)健康するということは、夫婦がそのどちらか側から見ても、結婚する相手だけでなく、その周囲の人たちをも受け入れることだろう。なぜなら人間関係というものは、簡単には断ち切れないものだからである。結婚によって、普通は人間関係は複雑に増えていく。それは苦労の種でもあるが、それらを引きずっていくおもしろさもあるのだ。
▼現代の人は、煩わしさを避ける。耐える訓練を受けていないのは、ヴァーチャル・リアリティだけで育ったからだ。ロボット犬やタマゴッチは、画面以外で臭気を立てるウンコもせず、イヤになったらいつでも電池を切って押入れに放り込めばいい。「子供が煩わしいから殺した」という母親も、このような心理なのだろう。
▼熟年離婚もその一種の変形かもしれない。今さら年々体が不自由になり、ものぐさになっていく老夫の面倒など見たくないのである。もちろん誰でも実際には看護に携われば、うんざりすることもある。私たち夫婦は私の母、夫の両親の三人と一緒に住み、三人ともその最期を家で看取ったのだから、その間に醜い利己主義が心に湧き上がる悪魔の瞬間も知っている。しかしそれとは別に、夫と周囲の人々の優しさとお金と、あらゆる可能な手段を動員して、私たちは老世代を捨てようと思ったことだけはなかった。私たちはいい意味でも悪い意味でも、極めて人間的に、そして平々凡々に家族と添い遂げた。
▼今、夫と私が心掛けていることは、会話と緊張である。病気になる時は仕方ないのだが、とにかく自分を甘やかさずに、掃除、選択、炊事、それに付随した営みが一応できる人間を維持し、いつ一人になってもいいように心を鍛えながら生きようという決意である。(以下略)
【筆者意見】▼曽野綾子の夫君は三浦朱門。鴛鴦の夫婦で有名。曽野綾子の文体は以前に「『いい人をやめる』と楽になる」をご紹介させて頂いたとおり、歯切れ良く頭に入ってくる文体で小生は好きな作家である。とくに前述の「とにかく自分を甘やかさずに・・」のところは、小生も今後を充実して生き抜くために大切な心構えであると思います。
■今日締め括りは、健康オタクの小生、名古屋の丸善でまた『健康本』を買いました。医学博士石原結實(ゆうみ)著「40歳から年をとらない生き方」という本です。
△今日は、文面が長くなってしまいましたので、このうちの第1章「「食を少なくする」ことが、長生きする一番の秘訣」だけをご紹介します。 第2章~第5章につきましては、次回以降に譲りたいと思います。
△とくに第3章「筋力を鍛えれば『寝たきり』にはならない」と第5章「センテナリアン(百寿者)たちから学んだ生活習慣」は、大変面白いと思います。楽しみにしていて下さい。
△それでは、まず、本書の「はじめに」から以下ご紹介します。
▼(前略)100年を生きるセンテナリアン(百寿者)たちの老化は、進行が緩やか、かつ穏やかで、身体内の諸臓器のバランスがよい生理的老化である。つまり、一つの臓器に病気(白内障、骨粗しょう症、ぼけ・・)として表れる突出した老化現象のない老化である。
▼だから、病的老化を積極的に防ぐこと、または治療することこそが、アンチエイジング(抗加齢)医学の目標であるといえる。(中略)successful aging(上手な年のとり方)(中略)をするためには、
①脳卒中の原因となる高血圧、糖尿病、高脂血症や、障害の原因となる関節炎、骨粗しょう症、骨折などの危険因子が存在しない
運動の習慣があり、適正体重を保って身体運動機能を良好に維持している。
たくさんの友人・知人と交友関係をもち、ボランティア活動などに参加するなど積極的に社会活動をして人生を楽しく生きている
といったことが必要である。
1章:「食を少なくする」ことが、長生きする一番の秘訣
(1)「少食」こそが「長寿」の必要条件
(2)「少食」の効能
①大小便の排泄をよくする←食べ過ぎると胃や腸に多量の血液が集まり排泄力が低下する、その反対の効果が出る。
②「体のだるさ」「うつ」気分がとれ頭脳が明晰になってぼけも防げる
③睡眠時間が短くてすむ←食べ過ぎると胃腸のほかあらゆる臓器に負担をかけることになるので、その回復のためにより長時間の睡眠が必要となる。逆に少食にすれば、睡眠時間が短くてすむ。
④免疫力が上がり、万病の予防、改善につながる
⑤体温が上がり、メタボリックシンドロームを防ぐ←少食にすると、むしろ体温は上昇する。
⑥がんを防ぎ、再発を予防する
⑦性力が強くなる
⑧シミがうすくなり、肌がきれいになる←少食にすると、体内で生成される老廃物や過酸化脂質などが少なくなるうえ、食べすぎの時に胃腸に集められていた血液が、皮膚(肌)も含めた全身の臓器・細胞へ存分に供給される。入浴後に肌がしっとりと輝いているのは、体表が暖められ、肌への血行がよくなるからであることを考えると、合点がいくだろう。
⑨運命が開ける←「食事の量が少ない者は人相学上は凶の相であっても運勢は吉であり、恵まれた人生を送り若死にしない。とくに晩年が吉である」
【後記】■次回も石原結實「40歳から年をとらない生き方」をご紹介させて頂く予定ですが、第5章「センテナリアン(百寿者)たちから学んだ生活習慣」に登場する百寿者たちが住んでいるところは、昔から長寿で有名なコーカサス地方です。なかでもコーカサス山脈の南側を外コーカサス地方と呼び、そこには、今日CISにてご紹介させて頂いた国のうち、グルジアアルメニアアゼルバイジャン3つの共和国があります。
▼詳細は次回に譲りますが、百寿者は、総じて少食だが、毎日、ワインは自家製の赤ワインを、主に昼食時に150~200ml飲みます。赤ワインは体に本当に良いようですね。古代ローマ人は常に水代わりに飲んでいましたし、キリスト教にも赤ワインは「パンとぶどう酒」として必ず出来てきます・・。
▼赤ワインにはアントシアニン、ポリフェノールが多量に含まれており脳梗塞や動脈硬化を防ぐ抗酸化作用があると言われています。目にも優しい・・。小生、最近、お酒はアルコール度数の高いものは避け、ビールと赤ワインだけ飲むことにしました。健康のために・・。 分量は、2合ほどを毎日飲んでいます・・。(了)

2007年1月18日 (木)

【時習26回3-7の会 号外18】~『大寒』~

■今泉悟です。今日もblog直接掲載させて頂きました。
■明後日1月20日は二十四節気でいう『大寒(だいかん)』です。一年中で最も寒い時期です・・が、今年の寒さは左程感じません。エルニーニョ現象が影響していると言われていますが、大きく言えば、地球温暖化がジワリと効いて来ているのでしょうか・・。
■前回お話した東海大地震とことと言い、今年は何か起こりそうな予感(?)がするのは私の妄想でしょうか。・・であればいいのですが、杞憂に終わりたいものです・・。
【バルト三国】《バルト三国の国名くらいは言えますが、首都となると・・、残念ながら正確に答えられない。それもその筈、学生時代はソ連を構成する共和国で独立国家として認識していなかった訳ですから。》
■さて、今日は先日の旧ユーゴスラビアに続いて、旧ソ連です。 1991年8月20日、バルト三国が揃って旧ソ連から再独立。 ゴルバチョフがソ連大統領を辞任した1991年12月25日旧ソ連が崩壊。 これによりロシア共和国以下15カ国からなるソ連を構成した共和国は1991年12月8日、まず10カ国が独立国家共同体(CIS:Commonwealth of Independent States)としてスタート。 その後、1993年にグルジアが加盟。トルクメニスタンが準加盟国になり、現在の正式加盟国は11カ国である。
エストニア】Eesti Vabariik(エストニア語) 英語表記:Republic of Estonia 公用語:エストニア語 首都:タリン(Tallinn) 人口:134万人 GDP:世界93位 123億ドル
ラトヴィア】Latvijas Republika 英語表記:Republic of Latvia 公用語:ラトビア語 首都:リガ(Riga) 人口:231万人 GDP:世界87位 153億ドル
リトアニア】Lietuvos Respublika 英語表記:Republic of Lithuania 公用語:リトアニア語 首都:ビリニュス(Vilnius) 人口:361万人 GDP:世界76位 237億ドル
▼バルト三国は、ロシア革命後、独立を果たしたが、第二次世界大戦中に独ソ不可侵条約の秘密議定書によりソ連に併合される。
▼エストニア人はフィンランド人と同人種(ウラル語族)。
▼2004年3月29日、三国は揃ってNATO(北大西洋条約機構)加盟。 
▼同年5月1日、三国揃ってEU(欧州連合)加盟。
リトアニアというと、杉浦千畝(ちうね)が有名ですね。彼は岐阜県八百津町出身。 小生の愚娘の母校でもある、旧制愛知五中(現県立瑞陵高校)を経て早稲田大学高等師範部英語科中退。外務省留学生としてハルピンでロシア語を学ぶ。1940年夏、リトアニア共和国カウナス(Kunas)の日本国領事館代理時代にナチスドイツの迫害を逃れようとするユダヤ人にビザを発給し、約6,000人の人命を救う。まるでシンドラーのリストのよう・・。1986年7月31日 逝去(86歳)。 日独伊三国軍事同盟締結下での彼の行動は、今から考えても大変勇気ある行動であったと思います・・。
【文藝春秋《特別版》『ああ、結婚! おお、夫婦!』】
■今日、この本を買った。最近、小生、夫婦観とかいう本に強い関心が注がれる・・。 詳細は次号の【時習26回3-7の会】に譲るので、今日は、その予告編としてご覧下さい。
▼【職縁社会が去っても夫婦】[堺屋太一] から~結婚は事業だ!
▼ドイツ生まれの哲学者エーリッヒ・フロムは「好きと愛は違う。好きは感情だが、愛は決意だ」といった。けだし名言だ。しかし、私は、こう付け加えたい。
▼「愛と結婚は違う。愛は決意だが、結婚は事業だ」
▼愛のない結婚は不幸だが、愛だけでうまく行くほど結婚は簡単でない。(以下略)
 ( 筆者注 ・・次号以降、順次ご紹介して行こう・・。)
【後記】■今日、最後にお贈りするのは、唐詩最大の詩人李白の『静夜思(せいやし)』です。
   静夜思     李白
牀前看月光   床前(しょうぜん) 月光を看る
疑是地上霜   疑うらくは是れ地上の霜かと
擧頭望山月   頭(こうべ)を挙げて山月を望み
低頭思故郷   頭を低(た)れて故郷を思う
【意】寝台の辺りに射し込む月影、 そのあまりの白さに霜が降りたのではないかと目を疑った。頭をあげて山にかかる月を仰ぎ、またうな垂れて故郷のことをしのぶのである。(了)

2007年1月13日 (土)

【時習26回3-7の会 号外17】~やはり健康・・~

■今泉悟です。今日もblogへの直接掲載です。
■齢を重ねるにつれ、歳月の過ぎ行く早さが速度を増していることを実感するこの頃です。以下にご紹介する詩は何処かフィット感がありますね・・。
         *       *       *
新古今和歌集 《巻第六 冬歌》 ~ 586 道因法師((1,090~没年未詳)俗名 藤原敦頼)
▼ 晴れ曇り しぐれは定め なきものを ふりはてぬるは わが身なりけり
 【意】晴れたり曇ったりして、しぐれは定まらないものなのに、ただひたすら老い古びてしまったわが身だなぁ。
         *       *       *
■今日、午後のニュースで千島海溝でマグニチュード8.2の地震があったと報道していました。 そう言えば、昭和20年の今日1月13日は三河地震(発生時間午前3時38分、渥美湾が震源地)がおきた日です。マグニチュード7.1と推定される大地震で、死者2,306名、負傷者3,866名、全半壊家屋23,776棟。戦時下のため報道管制が敷かれ全国的なニュースにならなかったそうです。 小生の勤め先でも15日から19日にかけ東海大地震に備えての防災訓練を実施予定です。皆さんのお勤め先やご家庭での地震対策は万全ですか? 東海大地震については、駿河湾から御前崎にかけては安政元年(1854年)以来150年余りマグニチュード8クラスの地震が発生していないのでそろそろ・・。用心が肝心、肝心・・。
■ところで、マグニチュードと震度の違いをご存知ですか? 
▼~きっちり言うと難しいので、簡単に説明しますと、地震を電球の光に例えると、ワットに相当する力の強さを表すのがマグニチュード、実際にどの位明るく感じるかというルクスに相当する、地震でどの位強く揺れたかを表すのが震度です。
■マグニチュード8~:巨大地震、7~:大地震、5~7:中地震 ・・ 。因みにマグニチュードが1つ違うと32倍、2つ違うと32×32=1,024倍になります。
         *       *       *
■ところで、皆さんは、健康・・気をつけていらっしゃると思います。 かく言う小生も健康増進のため、とくに基礎代謝力向上と、腰痛防止、延いては『老化防止』のために筋力トレーニング(腹筋800回/30分、腕立て伏せ50回、アームバー50回)を毎日やっています。
▼ところが、一昨日(11日)の朝のこと・・。 トレーニング後に喉の渇きを潤すため冷水をついウッカリ一気飲みしてしまい、不整脈(心房○動)を(再)発症させてしまいました。
▼「疲労により心臓が不整脈を発症し易い状態にあったところで冷水を一気飲みし、心臓をビックリさせてしまったこと」・・、これを近因とすると、最近、「仕事の面でストレスが溜まり、身体的に疲労が蓄積していたこと」・・これが遠因です。
▼小生、この病気は三年半前に二度発症している既往症ですが、前回もよく似たsituationで発症しました。 
▼この病気は、発症後48時間以内に正常に戻らないと、体内の血液が凝固し、それが原因で脳血栓や脳梗塞を併発する懸念もある病気です。
▼幸い、今回も12日夕刻、数時間の入院によりDCショック(電気ショック療法:容量も50ジュール=50W/秒と最低レベル)で完治したのでまずはめでたし・・なのですが、そもそも心房○動になるのは、心臓が老化している証左であるとのこと。ですから正直ちょっとショックですね・・。
▼小生の場合、「若い時の不摂生(喫煙・睡眠不足・過大なストレス)」が原因と解かってはいました。とは言うものの、「100歳まで健常者で現役~!」を目指す小生にはこの持病は「大きな障害の一つ」であることに間違いはありません。 でも、負けないぞ~~!!!
▼今回は、旧【1-4】の同級生で循環器系の医師である畏友中嶋君にいろいろアドバイスを頂戴し、事なきを得ました。この場を借りまして改めまして深謝致します。
▼中嶋君のアドバイスで早速血圧計を購入し、朝晩測定することにしました。
■皆さんも、十分健康に気をつけて下さいネッ・・。
         *       *       *
【後記】■話変わって、今日の締め括りは、唐詩のうち『離別』を詠った五言絶句と七言絶句の傑作をご紹介します。
                 *       
▼まずは、于武陵(うぶりょう)の勸酒(酒を勧む)です。
                 *       
  勸酒      酒を勧む    于武陵 
               *     
勸君金屈巵   君に勧む 金屈巵(きんくつし)
滿酌不須辭   満酌 辞するを須(もち)いらざれ
花發多風雨   花発(ひら)いて 風雨多し
人生足別離   人生 別離足る
                      
【意】君に勧めよう、この美しく輝く杯(さかずき)を。なみなみと酌(つ)がれた別れの酒を、どうか辞退しないでくれたまえ。花が咲く時期にこそ、風雨は多い。人としてこの世に生きているかぎり、別離の悲しみは避けがたいのだから・・。
                      
▼つづいて、王維送元ニ使安西(元ニ(げんじ)の安西(あんせい)に使いするを送る)です。これは皆さんもよくご存知の・・『離別』の詩として最も名高い作品ですね。
                      
 送元ニ使安西    元ニの安西に使するを送る
                      
渭城朝雨浥輕塵   渭城の朝雨 軽塵を浥(うる
             お)し
客舍靑靑柳色新   客舎(かくしゃ)青青 柳色(りゅ
             うしょく)新たなり
勸君更盡一杯酒   君に勧む更に尽せ一杯の酒
西出陽關無故人   西のかた陽関を出ずれば故
             人無からん
                      
【意】渭城の街に降る朝の雨は、軽やかな黄土の塵をしっとりと濡らす。旅館の傍ら、青々と茂る柳の木々は、雨に洗われて、目に沁みるような新鮮さ。君に勧めよう、もう一杯、この酒を飲み干してくれたまえ。西のかた遠く陽関(ようかん)を越えてしまったらなら、もうともに酒を酌む親しい友もいないだろうから。(了)

2007年1月 9日 (火)

【時習26回3-7の会号外 16号】~「『中年クライシス』~母なる遊女~谷崎潤一郎『蘆刈』」~「妖しい心を呼びさますアブナい愛の魔術師 谷崎潤一郎」

■今泉悟です。今日は河合隼雄『中年クライシス』の第3弾 谷崎潤一郎の『芦刈』です。この小説の解説で河合隼雄は言う・・。
【トポスと私】
▼中年も少し年をとってくると、あらためて自分という存在に目を向けることになる。いったい自分というのは何者なのか。
▼そんなことは誰しも若いときから、ある程度考えているものだ。(中略)自分のやりたい職業とか、結婚したい相手などが見つかり、そのなかで自分を確立してゆくことになる。
▼それがある程度成功したとして、そのときに自分とは何かを考えてみると、それを支えてくれるものが、社会的地位や自分の能力や財産や・・・・いろいろあるにしても、それを測定する尺度が外側にあって、そのことによって相当明確に自分の位置を見定められることがわかる。自分は「○○会社の××課長である」と思うとき、その会社に対する世間一般の評価や、課長職というものに対する会社内での評価などに支えられて、「俺もたいしたものだ」とか「まあ、そこそこやっている」などと感じることができる。このようにして、「私」とは何か、に相当答えることができるのだ。
▼このような考えの便利な点は、他と比較するかとが容易なことである。例えば「年収」(中略)を尺度とする限り(中略)ピッタリと順位をつけることができ(中略)普遍性をもつ。(中略)
▼しかし、人間が「私」とは、今ここに一人で山小屋の前に座って、高い山々の峰を見ている。それだけでまったく十分なときがある。これが「私だ」と感じることができるのだ。そんなとき、その山や空気や、そして自分の体の状況や、それらすべてが渾然一体となり、「私」の感覚を支える。
▼このような感覚がわからない人は、(中略)見た山が「海抜何メートル」(中略)その場所は「有名」かどうか、など(中略)その尺度は先に述べた一般的尺度に頼っている。(中略)
▼人と場所とのかかわりにおいても、(中略)人口何人とか、(中略)一般の尺度によって記述できるものを超えて、ある重みをもってくることがある。わかりやすい例で言えば「故郷」などというものは、(中略)ある人にとっては「心休まる」土地であったりする。(中略)
▼場所といっても、(中略)ある人にとって特に重みをもつことがある。そのような意味での場所をトポスと呼ぶことにする。トポスを見い出し、そのトポスとの関連で「私」を定位できるとき、その人の独自性は強固なものとなる。そのようなことができてこそ、人間は一回りの人生を安心して終えることができるのではなかろうか。老いや死を迎える前の中年の仕事として、このことがあると思われる。
▼(中略)今回取りあげるのは、谷崎潤一郎の『蘆刈』である。(中略)
【現実の多層性】
▼(中略)『蘆刈』のなかのお遊様は作者の「魂のドラマ」を演じるために出現した姿であるということになる。「私は誰か」に答えるのに、地位や財産やその他の一般的評価の尺度によるのではなく、「私の魂」の在り方を知ることは、中年における重要な仕事と言うべきであろう。それによってこそ、固有の私という存在が明らかになるのである。(中略)
▼それにしても、主人公「わたし」の魂のドラマに登場するお遊様について語ってくれた話し手の男というのは、何者であろう。彼が最初に登場するとき、「ちょうどわたしの影法師のようにうずくまっている男」という表現があったが、彼は文字通り「わたし」の影であり、影こそが魂への仲介者として存在したということになるのだろう。魂の世界は深く、なかなか直接的には到達しがたいのだ。(中略)『蘆刈』では、母なる遊女のイメージの「母」のほうにアクセントがおかれ、まるで近親相姦を避けるかのように「操を立てる」ことが強調された。一方で、通常の意味における、「子どもを育てる」ことに熱心であるという「母」のイメージは見事に否定され、これによって普通の母のほうにイメージが傾きすぎるのを防いでいると思われる。このようなお遊様のイメージを、西洋のロマンチックな女性像と比較してみるのも興味深いことであろう。
【後記】■本日最後に、谷崎潤一郎について、少しお話したいと思います。
【「妖しい心を呼びさますアブナい愛の魔術師 谷崎潤一郎」~「ついに、芸術の女神と結ばれる」】
■谷崎潤一郎が松子と正式に結婚したのは、四十九歳のこと。ミューズ(Muse=女神)を得た谷崎は、その年の秋から『源氏物語』の現代語訳に着手する。・・(中略)・・訳するにあたって谷崎は次のように述べている「(前略)・・原文が持っている魅力は、何よりも『色気』ということにあると思う。実に不思議に色気のある文章である。・・(以下略)」こうした谷崎の「源氏物語」観は二十六巻から成る『潤一郎訳源氏物語』に結実し、三年かけて刊行された。
■この本に関連して、昭和26年5月、「潤一郎訳源氏物語」内容見本に発表した小林秀雄は次のように評している・・。
▼私個人の好みから言えば、古典の現代語訳というものを、余り好かない。・・(中略)・・ひとえに古典敬愛の情が、氏を駆ってこの仕事を赴かせたのであろう。これは名訳の成せる大事な条件である。又、私自身の事を言えば、十余年前、谷崎氏の旧訳(筆者注:「旧訳」=谷崎が昭和10年1月森田松子と結婚。同年着手し完成させた前述の「潤一郎訳源氏物語」のこと)を手にし、初めて「源氏」の原文を通読する機を捕え得たのであり、谷崎氏の労作に感謝している。
■再び「妖しい・・」に戻って・・。
▼松子に対しては、まるで下男が女主人の前ではいつくばるようにして、へりくだっている。これを、谷崎はしたかったのだ。そして、それを自分にさせてくれる「女神」がついに自分の「妻」となってくださったのだ。
▼そのために貧乏クジを引いたのが、千代・丁未子(とみこ)という二人の「前妻」。谷崎は、弟の精二(早稲田大学教授)とも絶交したり、末の弟を養子に迎えてすぐに離縁したりしている。長男でありながら、血のつながった弟妹に対しても、必ずしも誠実とは言えなかった。最愛の松子夫人ですら、谷崎の子を身ごもったときに、中絶させられている。唯一絶対の「女神様」に子どもはいらないからである。谷崎芸術の大輪の花は、多くの人の苦しみと破滅を「肥やし」にしている。・・(以下略)。
【筆者コメント】■高校時代、谷崎潤一郎と言えば「痴人の愛」「春琴抄」「卍」「蓼喰う虫」「鍵」「細雪」等の題名を国文学の常識として暗記したが、実際に読んだことはなかった。また、谷崎の文体と、志賀直哉の文体を比較して、谷崎の大変長い文章が印象に残っている・・。 
■改めて、今回「妖しい心を呼びさますアブナい愛の魔術師 谷崎潤一郎」(新潮文庫)を読み、谷崎文学の「芸術性とエロス」とは何かを考えてみた・・。 「所詮、『男と女』だ・・」と片付けてしまうのは皮相すぎる。 が、・・ますます、「人生とは何か」「男と女の関係とは何か」が解からなくなって来てしまった・・・・・。(了)

2007年1月 7日 (日)

【時習26回3-7の会 0060】~「小寒」「公立小学校における英語教育」「河合隼雄『中年クライシス』から~夫婦の転生・・志賀直哉『転生』~」

■今泉悟です。日付が変わり今日は1月7日です。昨日1月6日は、二十四節気でいう「小寒」。陰暦12月の節で、所謂「寒の入り」です。即ち今から「立春」辺りまでが一年中で最も寒い時期です。が、今日は昼過ぎまで雨が降りましたが、3月と間違えそうなほど暖かな一日でした。
■昨年末から今年にかけて、渡辺S○子さんと犬飼R子さんから励ましのmailが届きましたので、その一部をご紹介します。
▼日付順に、まず、渡辺さんからのmailです。
From: watanabe Sent: Sunday, December 31, 2006 8:38 AM To: 今泉悟 Subject: お世話になりました
(前略) この1年、一人でクラス会開催に向け頑張って、その後もずっとお便り出し続けてくれてありがとうございました。
一方的に楽しく読ませてもらっているだけで返事もしないで申し訳なく思っています。 悟君は本当に○△ですね。 いっぱいポケットを持っていて、いろんなものを取り出して見せてくれてるような、そんな気がします。 ○○○の○○話は無理だけど、日常のひとコマを皆が送り合ったら面白くなるかもね。 来年も期待してます。 (以下略)
▼続いて、犬飼(石田)さんからのmailです。 (筆者注:文中の○△は小生が勝手に割愛しました。渡辺さんゴメンなさい。)
From: 犬飼 R子 Sent: Thursday, January 04, 2007 11:00 PM To: 今泉悟 Subject: Re: 【時習 26 回3-7の会】~魔笛をご覧になりましたか?(前略) 年が替わってしまいました。賀状も早々とありがとうございました。 改めて明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 「魔笛」は観に行きました。当日、アクトシティの音楽工房ホールで「音楽アラカルト」という講座が13時から14時半まであり、そちらも受講しました。テーマは「ドニゼッティとルチア」で、1月17日に大ホールで上演されます。平日なので残念ですね。 6月25日には「セビリアの理髪師」が上演されますが、こちらも残念なことに平日です。浜松では平日が多いですね。 では、また・・。
■渡辺さん、犬飼(石田)さん、mailをありがとう。 今年も宜しくお願いします。
■ところで、【0059】号にてお約束した【英語教育論その2】を今日お届け致します。
公立小学校における英語教育問題背景
▼《実用英語》最近はすっかり「実用英語」が優勢で・・求められている。
▼《グローバル化》インターネットに代表されるコミュニケーションの核となる言語が英語であり、この「グローバル化」に対応するため、「英語が使える人材」育成が急務。
▼《TOEFLのスコアはアジアで最低レベル》最近10年で見ても「アジアで最低レベル」からよくても下から4番目くらい。
▼《アジアの動向》タイは1996年、韓国は1997年に小学校での英語教育を必修化、中国も2001年から段階的に必修化を決定・・。
▼《「英語が使える日本人」の育成のための行動計画》~この「行動計画」の出発点が小学校だ・・。
公立小学校における英語教育問題賛成の立場から】
▼《理由
小学生の柔軟な適応力を生かす~13歳前後くらいまでが最も言語学習のための脳の働きが活発で、順応性も高い。
グローバル化に対応~企業も国も地球規模で競争することを余儀なくされ、しかも、世界の共通語英語を通じて行われている現実を直視し、諸外国が小学校での英語教育導入に踏み切ったからには、日本も一刻も早く小学校における英語の必修化を実施すべき。
教育の機会均等の確保~90%を越える公立小学校ですでに何らかの英語活動が行われているが、その回数や内容にばらつきがあるため必修化により教育の機会均等の確保が必要。
国際理解を深める
音声面での効果が期待できる(中略)特に発音の習得は早期英語教育の利点。
国語力の強化につながる~外国語を学ぶことは母国の学力にもよい影響を与えると考えられている。
▼《中学からでは遅い
①(中略)中学から英語を導入してきたこれまでの日本の英語教育では十分な成果が得られなかった、という事実を直視する必要がある。「臨界期説(critical period hypothesis)」は「子どもの言語発達には、思春期の12、13歳くらいまでの期間がもっとも適しており、ほかの時期よりも容易に言語を獲得できる」とする理論で、アメリカの生物学者レネバーグ(E.H.Lenneberg)が主張。
公立小学校における英語教育問題反対の立場から】
▼《1.「臨界期説」に対する反論》~米国の言語学者クラッシェン(S.Krashen)は「思春期以降でも言語を獲得する力は失われない」と主張。「一側化(=脳の機能が右脳と左脳に分かれること)は5歳頃には完成するので、一側化自体は言語獲得の妨げにはならない」という反論。また「学習」の過程には「規則を覚える」「類推する」等の知的作業が必要で、これは小学校よりも年齢が高い学習者の方がよい。
▼《2.資格ある教員がいない》~ばらつきないレベルで、22,600校以上の公立小学校に教員を配置することは現状無理。
▼《3.小学校での英語の歌やゲームは英語力につながらない》~きちんとしたコミュニケーションをするには「文法」の力が不可欠で、歌やゲームは文法力に影響を与えない。
▼《4.母語の学習や母語での思考形成の妨げとなる》~小学校の6年間は母語である日本語の基礎を身につける重要な時期。小学校でしっかりした国語力の基礎を固めた後で、中学から英語を学べばよい。そもそも人間の思考の基盤は母語にある。
▼《5.英語と英語文化の優越性を助長する》~そもそも数十人のクラスで週に数時間やっただけで英語を流暢に話せるようにはならない。学校教育では無理。学校教育では文法を中心とした英語力と学習方法を身につけること、国際理解を深めること、外国語を学ぶことの意味を学ぶこと等を目標とすべき。その後、十分な動機と関心のある人は語学学校にいく、留学する等の道を求めればよい。
■【筆者意見】「公立小学校英語教育~反対論」は、前回その1でご紹介した藤原正彦氏とほぼ同主旨です。普通レベルの人が流暢な英会話力を身につけるには徹底した訓練が必要でしょう。そもそも会話力は、絵や音楽と同様、天賦の才のものだと思いますが、皆さんは如何お思いですか? ご意見を頂戴できれば幸甚です。
■続いて、【河合隼雄『中年クライシス』から~夫婦の転生・・志賀直哉『転生』~】(※blog URL: http://jishu2637.cocolog-nifty.com/blog ←ここをクリックして下さい。)
から、【ロマンチック・ラブ】の抜粋をご紹介します。ちょっと、文章は長くなりますが、大変面白く書かれていますのでご紹介します。一気呵成に読み進むことができますよ・・。
▼志賀直哉の『転生』という短編小説は文庫本でも全部で10頁と本当に短い小説・・。概略を言いますと「夫婦仲が良いと互いに認める合う夫婦。その癇癪持ちの夫がちょっと気の抜けた妻と来世で生まれ変わっても一緒になろうと約束。仲の良い夫婦は「鴛鴦(おしどり)」だということで、先に夫が鴛(おす)に転生して妻を待っている。すると、妻が転生した際に、鴦(めす)になるのを忘れ狐に転生してしまい、夫を探し当てるが、鴛になった夫をつい食べてしまう・・。」
■河合隼雄は次のように夫婦観について言う・・。
【ロマンチック・ラブ】▼考えてみると、夫婦関係というのは実に大変なことである。互いに一人の人間を相手にして長い長い期間を共にすごしてゆかねばならない。とくに、現在のように長寿が約束されるようになると、五十年以上の歳月を共にすることが非常に多くなってくる。しかも、先進国のほとんどが一夫一妻の規則に従っているわけだから、その関係の維持には相当な努力や工夫が必要であろう。
▼何しろ、他の人間関係と異なり、一つ屋根の下で暮らすのだから、余計に難しくなる。社会的な関係であれば、適当な距離が取りやすいし、必要に応じて離れていたり忘れていたりすることが容易である。自分の欠点をある程度はカバーして付き合うこともできる。ところが夫婦になると、そうはゆかない。どうしても本音がでてくるし、また本音のところでつき合えるからこそ夫婦であり、家族としての意味もある、と言えるだろう。「どんな偉大な人でも、妻から尊敬される人はまずないだろう」とよく言われるが、これは相当な真実と言っていい。遠くから眺めているのと、近くで見るのとでは、随分と姿が違って見えるものである。(中略)
▼アメリカで離婚が多いのを非難がましく言い、日本の方がいいように言う人もいるが、話はそれほど単純ではない。「家庭内離婚」という言葉もあるように、心のなかでは離婚しながら、ともかく一緒に住んでいる日本人の夫婦も多いのではなかろうか。このような関係がアメリカより優れているとは、とうてい言えない。だからといって、離婚・再婚を繰り返すアメリカ人の方が「真実」に生きているというのも単純すぎる。というのは、夫婦の関係といっても、そこにはいろいろな関係があると思われるからである。
▼夫婦というものを、社会構造の重要単位であり、社会を安全に維持してゆくために必要と考えるのなら、ともかくも夫婦となって子どもを育て、自分たちの関係を維持しているだけで役割を果たしていることになる。このことは確かに重要である。その意味で、古来からどのような文化においても、結婚が両親や親戚などによってアレンジされることが多かったのは、頷けることである。(中略)
▼ロマンチック・ラブを安易に受けとめての結婚は長続きしない。とすると、夫婦関係、あるいはそこに生じる愛ということをどのように考えるのか、という難しい問題が起こってくる。このことは中年における大きい課題である。若い間はロマンチック・ラブの幻想のなかで生きていることもできる。しかし、中年になってくると現実がもっと見えてくる。そうなると、どうしても夫婦関係というものを見直し、関係をあらたにすることが必要になる。これは随分と苦しいことだ。これをどのようにやり抜くかは、その人の老後にも大いにかかわることになるであろう。
河合はさらに言う・・。
【合一から裏切りへ】
▼二人に人間の関係というものには、なかなか難しいところがある。二人の関係がよいとか悪いとか言っても、そこには随分と差があるものである。
▼日本では、二人の関係が「よい」と言う場合、どうしても二人が一体化していることを考えてしまう。お互いの間に秘密がない。お互いの考えや感情が、言葉で言わなくても以心伝心にわかってしまう。このようなことが「よい関係」の理想のように思われている。しかし、果たしてそうだろうか。
▼西洋近代の自我を確立する生き方をよしとするならば、「よい関係」の前提として、二人の人間がそれぞれ独立していることが必要となる。独立した人間がお互いに関係をもつためには、言語によって自分を表現し理解し合うことが必要である。このような関係は、お互いがどのようにして、いかなる関係をもつようになったか、その関係を維持、発展せしめてゆくのにはどうすべきかなどを、相当に意識化している。つまり、言語によって表現することができる、ということになる。(中略)
▼いかなる場合でも、「裏切り」をよしとする人はいないであろう。(中略)そうであっても、あまりに強い合一を経験した二人のうちどちらかの一人が、もう一度自立した二人の関係に戻ろうとするとき、その方法は裏切り以外にないと言っていいほどなのである。そして、しばしば、そのような裏切りは無意識的に行われることが多いようである。
▼(筆者注:志賀)直哉の場合も例外ではなかった。『転生』によって、まさに「和合」の見本のような姿を描いて約一年後、直哉は妻を裏切ることになる。(以下略)
【後記】■「夫婦関係って、何だろう」と考えさせられますね・・。昨日の漱石『門』の宗助と御米の関係といい・・。小生もじっくり考えてみたいと思います。 (了)

2007年1月 6日 (土)

【時習26回3-7の会 号外15】~中年期のこころ・・中年クライシス・・

■今泉悟です。今日は、【英語教育論その2】に入る前に、掲題の件で面白いessayを見つけましたのでご報告致します。それは、あるカウンセラーの『中年期のこころ』と題したものです。早速ご紹介します。
 ※(注)中年期は、広くは35歳位からだが、ここでは、40~60歳をイメージしている。
▼ところで、中年期とは、(中略)人の主観的時間が、生まれてからのそれではなく、残り時間として意識された時からだ、(中略)つまり、思春期から成人期の、人生の午前中には見えないもの、日没が視野に入ってくるのが中年期、という訳である。ユングは「死が誕生する」と言っている。(中略)
▼中年期が、決して悩み多き苦難の時期、と言っている訳ではない。中年期(=壮年期)は、バリバリ働いて、それと共に社会的地位が上がり、経済的にもピーク、と言う輝かしい時期である。まさに中年期は安定期である。
▼但し、頂点に達したからこそ、(中略)「自分の人生はこれでよかったのか」「自分はここまでなのか」と、疑問を兆すのである。そこから「まだやり直せるのではないか、いや、もう遅い」、という葛藤が生まれる。それがユングの言う「中年の危機」と一端なのである。輝かしさの裏には暗さがあり、「まだ若い」と言う気持ちの裏に「もう若くない」と言う寂しさがある、「もう一花」と言う気持ちと同時に諦めがある、中年はどこまでも相反する気持ちを抱えた矛盾した存在のようだ。
▼頂点に立って行く末を見ると終末が見える、翻って来し方を見ると、青年期・成人期の職業選択、配偶者選択が誤りだったのではないか、と言う疑念が湧く、青年期・成人期であればやり直そうと思えばやり直せる、しかし、中年期になると、自分が築いた家庭や地位は簡単に壊せるものではなくなっている。
▼また、中年期には思いがけないことが起きる。老親の介護、死などは予測できても、実際にその場面になれば大変さは予想を超えるであろう。兄弟姉妹、親しい友人の死などに見舞われれば衝撃は計り知れない。自分自身の怪我や病気、配偶者のそれ、子供の起こす様々な問題、と、どれもが青年期・成人期には余り考えずに済んだことであろう。劇的なことが起こらなくても、自身に兆す衰え、例えば体力がなくなったことを一つ取っても、仕事の仕方、生活の方法を変えざるを得ない。衰えを拒否したり、気付いても生活を変えなかったりすると、怪我や病気という「思わぬこと」に見舞われることになる。(以下略)
■ユング派の心理臨床家である河合隼雄の『中年クライシス』と言う本が紹介されていましたので小生早速本を買い読んでみました。この本は、彼が、中年期の特徴を自分の持ったケースで説明するかわりに、12の小説を通して語っているもので、大変興味深いものです。今回は、その中から最初に出てくる夏目漱石の『門』を、この本の序章『はじめに』に続けてご案内します。ご覧下さい。
■『はじめに』
▼(中略)ユングは、(中略)人生を前半と後半に分け、人生の前半が自我を確立し、社会的な地位を得て、結婚して子供を育てるなどの課題を成し遂げるための時期とするならば、そのような一般的な尺度によって自分を位置づけた後に、自分の本来的なものは何なのか、自分は「どこから来て、どこに行くのか」という根源的な問いに答えを見出そうと努めることによって、来るべき「死」をどのように受け入れるのか、という課題に取り組むべきである、と考えたのである。(中略)
▼(筆者注:創造的活動の源泉が)フロイトやユングの場合は心の病であるのに対して、漱石の場合は身体の病であるが、その病の体験が彼のその後の創造活動のひとつの源泉となったのは疑いのないところであろう。
▼(中略)われわれ凡人は(中略)人間誰しもそれぞれの個性を持ち、他とは異なる人生を生きるという事実に注目すると、(中略)自分の人生そのものが「作品」であると言うこともできる。つまり、かけがえのないひとつの人生を、われわれは「つくり出す」・・。(中略)
▼現代は平均寿命が長くなったので、(中略)老年になってくると、それまでの生き方とは異なる人生観や価値観をもって生きることが必要になる。(中略)それを行うためには中年からの心がけが大切(中略)。これからの人生は、一山型のカーブではなく、双子型の山の軌跡をたどることになり、一回目の山を越え、二回目の山にとりかかろうとするあたりが中年にあたると考えられる。(以下略)
■人生の四季 ~ 夏目漱石 『門』
▼『門』を読むと、宗助と御米(およね)という夫婦がそっと肩を寄せ合うようにして生きている姿が目に浮ぶような気さえする。ところが、平和なはずの夫婦の上に、何か暗い影がさしているのを感じる。読者は(中略)読み進んでゆくうちに、三分のニくらいのところに来て、はじめて重大な秘密を知らされる・・(中略)・・暗い影の正体・・宗助は友人を裏切り、御米は夫を裏切って、二人は結婚したのだ。二人は世間に顔向けができなかった。(中略)
▼【潜在するⅩ】さきに述べた夫婦の「秘密」は、二人にとっての大変な重荷である。しかし、その重荷こそが、この二人を結びつけているものではないかろうか。もしこの重荷がなくて、(中略)仲良く暮らしていただろうか。おそらく、ここに描かれているような関係ではなく、二人の間はもっとギスギスとしたのではなかろうか。そうして、次のような話もすぐ可能なのである。
▼宗助と御米は平和な夫婦として暮らしている。そこへ無頼な男、安井が登場する。御米は宗助の優しさより、荒々しい安井に惹かれてゆく。悩んだ宗助は御米や安井と争うこともせず、禅寺に行って問題と解こうとするが、答えが見つかるはずがない。とうとう御米は宗助を棄て、安井と同棲するようになる。
▼つまり、宗助と御米との間の「過去」として述べられていることは、現在でもあるし未来でもあり得るのだ。それは中年の夫婦というものに常に「内在」しているテーマであり、いつどのような姿をとって現れてくるかわからないのである。すべての中年の夫婦にとって、「突然不用意の二人を吹き倒」す大風は、彼らの内に潜在しているのである。
▼宗助と御米は幸か不幸か、それを過去に体験したために、そのような大風の存在を自覚している。そのような自覚の苦しみがが、二人の仲の良さを支えているのである。それは、本来的には『常に内在』しているものであって、過去、現在、未来のどこかの一点に生じてきて、それを原因とか結果に見立てて説明できるような類のものではない。自己の内部に内在する根源的な不安。その自覚によって生じる重苦しさを漱石は書こうとしていたのではなかろうか。(中略)
▼(筆者注:夫婦喧嘩を例にとってみても)勝負は、力の強いほうや声の大きいほうや、舌の回転の速いほうなどが勝つことによって終わる。しかし、問題は片付いていない。
▼問題は原因~結果などと、論理的、継続的な筋道によっては把握できないところに、その本質があることなのだ。夫婦になったその途端に、そこに潜在するⅩ(筆者注:Ⅹ=何か)。それが原因と言いたければ原因なのである。実のところ、それは永遠に不可知のことなのかもしれない。(中略)
▼中年の危機は「偶然」によってやってくることも多い。(中略)それは確かに偶然である。しかし、その話を聞いている者には、「内的必然性」が感じられることが多い。その人は偶然にバレたと嘆いている。しかし、それは「見つかるべくして、見つかった」と言いたくなる感じがするのである。(中略)
▼宗助は、せっかく「門」を叩いたのだが、開けてもらえなかった。「門を通らないで済む人でもな」いと自覚しつつ、門を通れないし、「門の下に立ち竦(すく)んで」いるより仕方のない自分を見いだしたのである。しかし、中年の門というのは、こんなものではないだろうか。下手にさっと通れば「あちら」に行ってしまうのではなかろうか。すぐに「あちら」に行くことはないにしても、「老い」の世界に入ってしまうのではなかろうか。
▼門の下に立ち竦んで、何とかならぬものかといろいろやっていると、ジワジワと明るみが見えてくるのだ。(以下略)
【後記】■『中年期』の定義、なかなか興味深いですね。
■それから、河合隼雄の「中年クライシス」・・。流石はユング派精神分析家のcommentは頷けるものでした。この「中年クライシス」に掲載されているほかの小説の題目をご紹介しましよう。山田太一『異人たちとの夏』、広津和郎『神経病時代』、大江健三郎『人生の親戚』、安部公房『砂の女』、円地文子『妖』、中村真一郎『恋の泉』、佐藤愛子『凪の光景』、谷崎潤一郎『蘆刈』、本間洋平『家族ゲーム』、志賀直哉『転生』、夏目漱石『道草』。以上全12作品です。みな面白い内容でした(正確にいうと、小生、まだ全部読了していません(為念))。また、気が向いたらご紹介させて頂きます。ご興味のある方は直接ご一読をお薦め致します。朝日文庫から出ています。
■『門』では、夫婦の関わり方も、situationが違えば当然違って来る。言われてみればその通り・・。それにしても、古今東西、男女間の微妙な関係は『答えがない』のが答えですかね・・。(了)

2007年1月 3日 (水)

【時習26回3-7の会 0059】~2007年は・・「祝日法改正」「EU加盟国&ユーロ(Euro)参加国」「公立小学校英語教育論その1」

■【時習26回3-7の会】の皆さん、明けましておめでとうございます。今泉悟です。
classmatesの皆さんには賀状が届きましたでしょうか? e-mailでもご挨拶させて頂きました。
■年末には渡辺S○子さんから、励ましのmailが届きました。この場を借りましてお礼申し上げます。
■今年、2007年がいい年であるといいですね。年頭にあたり、掲題の副題の3項目についてお話してみたいと思います。
■まず、「祝日法改正(本年1月1日施行)」についてです。その内容は・・、
▼①4月29日が、これまでの祝日「みどりの日」から祝日「昭和の日」に。その意味するところは「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」・・。 
▼②5月4日がこれまで平日にかぎり「国民の休日」としていたものから祝日「みどりの日」に。これは、従来4月29日であったものを言わば振り替えたもの。その意味するところは「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊な心をはぐくむ」です。 
▼③祝日法第三条第2項をこれまでの「「国民の休日」が日曜日にあたるときは、その翌日を休日とする」から「「国民の祝日」が日曜日にあたるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする」と改正されました。
▼~②③により、どこが変わったかというと、新「みどりの日」が「祝日」になり、「祝日」の振替日が最初に来る平日とする、ことにより、早い話が5月4日(「新みどりの日」)が(日)(月)の年は5月6日が振替休日となり、5月3日~6日まで4連休(これまでは5月3日~5日の3連休)に休日が一日増えることになったのです。まわりくどい説明でしたがお解かりになりましたか?
■続いて、世界、ヨーロッパに目を向けますと、「EU加盟国&ユーロ(Euro)参加国」が2007年1月1日から、それぞれEU加盟国がルーマニアとブルガリアの加盟により27ヶ国に、ユーロ参加国がスロベニアの加盟により13ヶ国となりました。
EUといってもEC時代の旧西独・仏・伊&ベネルクス3国の計6ヶ国から数えると増えたものですね・・。
▼①1973年加盟国~・英・アイルランド・デンマーク (全9カ国)
▼②1981年加盟国~・ギリシア (全10カ国)
▼③1986年加盟国~・スペイン・ポルトガル (全12カ国)
▼○1990年10月3日~・東西独統合により、旧東独地域が加盟
▼◎欧州連合(EU)発足
▼④1995年加盟国~・オーストリア・フィンランド・スウェーデン (全15カ国)
▼⑤2004年加盟国~・ポーランド・ハンガリー・チェコ・スロバキア・スロベニア・エストニア・ラトビア・リトアニア・キプロス・マルタ (全25カ国)
▼⑥2007年加盟国~・ルーマニア・ブルガリア (全27カ国)
■一方、ユーロ参加国は、次ぎの13ヶ国です。
▼・オーストリア・ベルギー・フィンランド・仏・独・ギリシア・アイルランド・伊・ルクセンブルク・蘭・ポルトガル・スロベニア・スペイン
■欧州も我々が高校で学んだ時代に比べ、東西独が統一したほかは、国々が多くの小国(?)に分離(分裂)独立したため、国名と首都がよく解からなくなりましたね・・。
▼・・・そこで、ちょっとオサライしてみました・・・。
▼①チェコスロバキア~1993年1月1日、スロバキアがチェコスロバキアから分離独立→・チェコ共和国(首都プラハ) ・スロヴァキア共和国(同ブラチスラヴァ 公用語スロバキア語)
▼②ユーゴスラビア~第一次世界大戦勃発の地サラエボはボスニア・ヘルツェゴビナの首都です。その昔から「欧州の火薬庫」と言われる位、人種・宗教が入り乱れています~
▼▼②-①スロベニア共和国(同リュブリャナ 同スロベニア語)1991年6月ユーゴスラビアからの分離独立を宣言。1992年5月国際連合、2004年3月NATO、同年5月EUに加盟。
▼▼②-②クロアチア共和国(同ザグレブ 同クロアチア語 英語表記 Republic of Croatia (クロエイシア))1991年6月スロベニアと同日に独立を宣言。1992年5月国連へも同時加盟。EUへの加盟はEUから承認済だが現在未加盟。
▼▼②-③ボスニア・ヘルツェゴビナ(同サラエボ 同ボスニア語・セルビア語・クロアチア語)1992年3月ユーゴスラビアから独立。1992年5月スロベニア、クロアチアとともに国連に加盟。~この国は説明するのは少々複雑。・・1992年にユーゴスラビアから独立し国連に加盟した。が、すぐにイスラム教徒のボシュニャク人(血統はセルビア人・クロアチア人と同じだが宗教がイスラム教)、ローマ・カトリック教徒のクロアチア人、東方正教会のセルビア人の間で内戦(=ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争)が勃発。1994年NATO軍の制裁空爆を経て、1995年に国連の調停により和平調印(ディトン和平合意)。ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とスルプスカ共和国の連合国家となった。2004年12月以降はEUの部隊であるEUFOR(EU Force in Bosnia and Herzegovina)7,000名がボスニアの治安維持の目的で「アルテア作戦(Operation Althea)」を遂行中。
▼▼②-④セルビア・モンテネグロ(同ベオグラード 同セルビア語)旧ユーゴスラビアの盟主であったが、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアが分離独立。2006年3月11日ミロシェビッチ元大統領が獄中死。同年6月3日モンテネグロが独立を宣言。同年6月5日セルビアがセルビア・モンテネグロの継承国家であることを宣言。
▼▼②-⑤マケドニア(同スコピエ マケドニア語)1991年9月8日旧ユーゴスラビアから独立。1993年正式国名をマケドニア旧ユーゴスラビア共和国として国連に加盟。因みに古代マケドニア王国の継承者を自認するギリシアは、この国をマケドニアと呼ぶことを嫌い、ヴァルダル、スコピエ等と地名を使い呼んでいる。古代マケドニアの範図は南部の50%が現ギリシア、北部40%が現マケドニア、北東部10%が現ブルガリアにと3ヶ国に分かれてしまっている・・。
■【筆者注】「欧州の火薬庫」と呼ばれただけあり、本当に民族・宗教が複雑に絡み合って大変な国々ですね。と言うことは、1945年にパルチザンを統一し旧ユーゴスラビアを自身が死去した1980年5月まで見事に統一していたヨシップ・ブロズ・チトー大統領は流石に偉人であった訳です・・。
■続いて「公立小学校における英語教育についてです。正月ですので、ちょっとジックリ考えてみてもいいかなと思い取り上げてみました。皆さんのご意見を頂戴できれば幸甚です・・。
■まず、文藝春秋2007年1月号に国家の品格の著者である数学者・御茶ノ水大学教授藤原正彦氏が『国家の堕落』~改革の名のもとに国柄(こくへい=国家統治の権)を壊し、ついには教育まで~と題して【小学生に英語、パソコン、金銭教育は不要】~(筆者注:英語教育のところだけご紹介します)
▼彼等、すなわち日本経済を引っぱる財界人やエコノミスト達が、英語を流暢に操る必要はあるだろう。それを一般国民に敷衍(ふえん=広げる)している。ものにならない英語に日本中の子供達が膨大な精力を注ぐ、などというのは国家エネルギーの大損失である。そのエネルギーがあったら、翻訳でよいから東西の古典や名作をふんだんに読んだ方がはるかによい。
▼日本に住む普通の日本人が、小学校一年から週一、二時間ずつ英語を学び始め、普通の努力を大学まで続けても、話したり書いたりできるようにはまったくなれない、という冷厳たる事実を知らないようである。日本にいながら英語を自由に操れるようになるとしたら、それはかなり才能のある人が、人の何倍もの時間をかけ涙ぐましい努力をした場合のみである。
▼日本人にとってそれほど英語は難しいということである。将来、英語を必要とする仕事につきたい人は、中学に入ってから現在の二倍以上の時間をかけて勉強しなければならないが、必要としないと思う大半の生徒は、なるべく早い機会に無駄な努力は止めて、東西の古典や名作の読書に向かうべきなのである。その方が充実した人間となるにははるかによいし、充実した人生を送るためにもはるかによい。(後略)
■英語の苦手な小生にとって、心強い(?)コメントでした・・。 いつまでたっても上達しない英語・・。 真剣に勉強して来なかったから、当然と言えば当然の帰結ですが・・。
▼この続きは、次号にてNHKラジオ『ものしり英語塾』2006年12月号~【公立小学校における英語教育問題の背景】~について詳論します。お楽しみに・・。
【後記】■今日、最後にお贈りするのは、芭蕉の俳句です。正月と三河に因んだ、先日お贈りした「鷹一つ見付けてうれしいらご崎」に続いての句・・。
▼~「一富士、ニ鷹は吉兆の夢だが、天翔(あまがけ)る現実の鷹の方が、遥かに頼もしい。渥美町(現在の田原市)福江の保美(ほび)に蟄居の中の門人、杜国の元気な姿に安堵した意を寓したもの」~
  夢よりも 現(うつつ)の鷹ぞ 頼母(たのも)しき
【意】古今和歌集「恋三 647 題しらず よみ人しらず 『むばたまの 闇の現(うつつ)は さだかなる 夢にいくらも まさらざりけり (【意】実際に逢えたというのに、昨夜の闇の中での逢瀬は全くはかなくて、ありありと見る逢瀬の夢に比べて、何ほどの甲斐もないものであった)』が下敷きにある。 今、こうやって現実の伊良湖崎の鷹を見ていると、「古今集」の詩とは違い、やはり現実の方が良い。 
▼坪井杜国(元禄3年死去。享年34歳)と再会したのは杜国31歳の年。芭蕉は真偽の程は確かでないが、杜国との子弟間で男色説がある」とのこと・・。 (了)

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05【時習26回3-7の会】【2008年8月16日】《クラス会》於:ブラウンズ&トライ・アゲイン

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    ■2008年8月16日【時習26回3-7の会】《クラス会》を豊橋市内にある『ブラウンズ(一次会)』と『トライアゲイン(二次会)』にて開催しました。T三先生をはじめ全国から15名が集い大変楽しい5時間を過ごしました。 ■名残惜しいなか、23時すぎ、来年の再会を誓って散会しました。

101【2007年6月2~3日】■「千手院」でお会いした皆さんへ←clickでalbumへ

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    ■朝護孫子寺にて撮影した写真のほとんとを追加しました。ご高覧下さい。 ■2007年6月2~3日、「賢人会」のmember谷山・中嶋両氏と大和七福神・八宝廻りをしました。 ■七福神の一つ毘沙門天を祭る「信貴山朝護孫子寺」の宿坊【千手院】で一泊。 ■そこで、ご一緒した皆さんとの楽しかったひとときをアルバムにしました・・。      * * * ■瀬尾君、浅田さんとそのお供達の皆さんへ、「感想をお聞かせ」頂ければ幸甚です。 ▼『【時習26回3-7の会】のブログ画面』の【左上欄外】の「メール送信」を左clickして頂くと、今泉宛のmail address ~ < si886@nifty.com > ~ が開きます。 どうぞ、ご気軽に感想をmailにてお知らせください。 ▲【2637の会】のURL・・・  → URL: http://jishu2637.cocolog-nifty.com/blog

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