« 【時習26回3-7の会 0150】~「〔時習26回『35周年旅行』ご意見ご要望を聞く会〕開催のお知らせ」「オリンピック大会を迎える北京の最近の様子」「24日:『モディリアーニ』命日」 | トップページ | 【時習26回3-7の会 0152】~「2月4日:『立春』」「2月1日:『河東碧梧桐』命日」「15年連続日本一を続ける『三河港自動車輸入台数』」 »

2008年1月26日 (土)

【時習26回3-7の会 0151】~「メナード美術館の『日本画』展」「26日:『藤沢周平』命日」

■今泉悟です。毎日大変寒い日が続いておりますが、皆さん如何お過ごしですか。 さぁ、今日も【2637の会】会報【0151】号をお送りします。
▼前号にてご案内しました2月23日の「『時習26回35周年旅行』打合せの会」の申込みは如何でしょうか。小生は「何でも前向きに」ということで、大谷さんに『参加』の返信mailを送信しました。2月23日に再会できる【2637の会】の皆さんは果たして何人??? 皆さんのご参加を期待しております。

080126 080126_3 ■さて今日26日は、小生名古屋に出かける用がありましたので、ついでに地下鉄名城線の「平安通り」まで伸びた名鉄小牧線に初めて平安通りから乗車して「小牧」へ。そして「メナード美術館の『日本画』展」を見て来ました。添付写真をご覧下さい。同美術館は所蔵作品数1,300点。今回の企画展は、著名な日本画家20人の47点の絵画と工芸・彫刻13点が展示されていました。20人の日本画家の主だった人をあげると、横山大観、菱田春草、上村松園、小林古径、前田青邨、村上華岳、奥村土牛、速水御舟、山本丘人、東山魁夷、加山又造、平山郁夫ら、錚々たる巨匠ばかりです。
1940_194045_1960_1958_1921_1982_1976_1971_1972_▼なかでも、小生は、東山魁夷の「雲立つ嶺」(1976年)が素晴らしいと思いました。この作品は、奈良・唐招提寺の襖絵と大変よく似ており、製作年代同じ頃と記憶している。まぁ、細かいことはともかく、名作の数々をご覧頂くのが一番かと思います。では、添付写真をどうぞご覧下さい。

Photo■続いては、掲題の副題にある様に、実は今日1月26日は、藤沢周平1927.02.26 - 1997.01.26日)(以下敬称略)の命日。彼は、司馬遼太郎、池波正太郎と並ぶ日本の代表的な時代小説作家。本名は小菅留治(こすげ とめじ)。江戸時代を題材とした作品を多く残した。なかでも出身地、山形県鶴岡市にあった庄内藩を主題にしたと言われるバーチャル・リアルの藩「海坂(うなさか)藩」を舞台にした作品が有名。小生、彼の作品は、昨日までまだ一度も読んだことがなかった。嫌いなのではなく、むしろその逆・・。一度読み出したら止まらず嵌ってしまいそうなのが怖かったのである。
_▼でも今日、藤沢周平の命日。【2637の会】会報でご紹介するのに、読んだこともないというのも恥ずかしい・・、ということで添付写真にある様に文庫本を4冊購入し、早速読んでみた。「たそがれ清兵衛」「橋ものがたり」から「約束」「思い違い」「川霧」を読了。そして、読みかけが「蝉しぐれ」と「三屋清左衛門残日録」。短編小説の「たそがれ清兵衛」「橋ものがたり」は、一つひとつの作品が50頁内外なので、一時間以内に読めてしまうが、作者藤沢の筆が立つので、ほんの数行読み出したら、あっと言う間にその時代の中に誘い込まれてしまった。「橋ものがたり」に出て来る男女は、小生が読んだ3作品共にいずれも庶民。彼らの必死に生きていく姿勢の真っ当さ、健気(けなげ)さ、が美しい。その描写がとても上手い。男女の人情の機微を藤沢は巧みに表現し、読者の琴線に触れさせる。
▼これから「橋ものがたり」から『約束』の最後のところを、あえて「あらすじ」も説明せずにご紹介してみよう。「筋」がわからなくとも、なぜか「感動」させる作者の表現力の秀逸さを感じ取って貰えれば幸甚である。誰かが言っていた。これら3作品の最後の情景がとても美しい、と。「百聞は『一見』に如かず」いや、「百聞は『一読』に如かず」・・か。(笑)

【約束】
 萬年橋から帰る道で、会えただけで幸せだった。そして五年もの間、幸助も一心に自分のことを思っていてくれていたことがわかっただけで、十分だと思った。だが、一夜明けてみると、心の中で、ぽっきりと折れてしまったものがあることに気づいている。
 お蝶はそっと溜息をつくと、竈(かま)の火を落とし、さっき洗い上げた洗濯物を抱えて、土間に降りた。
 すると戸が向こうから開いて、なだれこむ朝の光の中に、長身の男が立っていた。
「入っていいかね」
 と幸助が言った。ぎこちなく幸助は微笑していた。茫然と立っているお蝶の胸を押すようにして、土間に入ってきた。
「ゆうべは、話の途中で、お蝶が帰っちまったから」
 上がり框(がまち)(【筆者注】床などの端にわたす化粧横木)に腰をおろすと、幸助はそう言った。板敷に坐りこんで、お蝶はまだ茫然と男の顔を見ている。
「一晩、眠らないで考えたよ。そして俺は俺で、お蝶はお蝶だと思った。五年前と人間が変っちまったわけじゃない。そう思って、それを言いに来たんだ」
「・・・・・」
「俺はまだ、奉公が残っているし、正直言って、どうしたらいいかわからない。だがそういうことは、だんだんと考えることにしようじゃないか。とにかく二人はもう離れちゃいけないんだ」
「・・・・・」
「むろん、お蝶が承知ならだが」
「承知するだって?」
お蝶は呟いた。お蝶はむしろうつろな表情をしていた。
「でも、そんなことはできやしない」
「できるさ。二人とも少しばかり、大人の苦労を味わったということなんだ」
「少しじゃないわ」
 お蝶は幸助の目をのぞきこむようにした。それから、ちょっと待って、これを置いてくるから、と言って、洗濯物を抱え上げると台所に姿を消した。
 そのままお蝶は戻って来なかった。幸助が声をかけようとしたとき、お蝶が忍び泣く声がした。声は、やがてふり絞るような号泣に変った。
 狭い土間に、躍るように日の光が流れ込んでくるのを眺めながら、幸助は、ここに来たのは間違っていなかった、と思った。お蝶の悲痛な泣き声が、その証(あか)しだと思った。お蝶が泣く声は、真直(まっすぐ)幸助の胸の中に流れ込んでくる。幸助は自分も少し涙ぐみ、長い別れ別れの旅が、いま終ったのだ、と思った。

Photo【筆者注】〔上がり框(かまち)〕▼古来、日本の住居には地面と床との間に相当な段差があった。「家に上がる」とか「お上がり下さい」という言葉がその証左。「家は入る」のではなく「家に上がる」もの。即ち、一段高い処に上がる為に靴を脱ぎ、別世界に入っていく。〔上がり框〕には、この様な日本人の境界感覚が籠められている。

【後記】■ついに小生、藤沢周平作品を読み出した。彼の作品の魅力に惹かれるのはいいが、のめり込まない様に留意して行きたい。今日は、【2637の会】会報は、そそくさと片付けて・・、早く「蝉しぐれ」と「三屋清左衛門残日録」を読みたい。それでは、また・・。

(了)

« 【時習26回3-7の会 0150】~「〔時習26回『35周年旅行』ご意見ご要望を聞く会〕開催のお知らせ」「オリンピック大会を迎える北京の最近の様子」「24日:『モディリアーニ』命日」 | トップページ | 【時習26回3-7の会 0152】~「2月4日:『立春』」「2月1日:『河東碧梧桐』命日」「15年連続日本一を続ける『三河港自動車輸入台数』」 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/62974/10090718

この記事へのトラックバック一覧です: 【時習26回3-7の会 0151】~「メナード美術館の『日本画』展」「26日:『藤沢周平』命日」:

« 【時習26回3-7の会 0150】~「〔時習26回『35周年旅行』ご意見ご要望を聞く会〕開催のお知らせ」「オリンピック大会を迎える北京の最近の様子」「24日:『モディリアーニ』命日」 | トップページ | 【時習26回3-7の会 0152】~「2月4日:『立春』」「2月1日:『河東碧梧桐』命日」「15年連続日本一を続ける『三河港自動車輸入台数』」 »

2018年3月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
フォト

最近の記事

05【時習26回3-7の会】【2008年8月16日】《クラス会》於:ブラウンズ&トライ・アゲイン

  • Dsc_0217
    ■2008年8月16日【時習26回3-7の会】《クラス会》を豊橋市内にある『ブラウンズ(一次会)』と『トライアゲイン(二次会)』にて開催しました。T三先生をはじめ全国から15名が集い大変楽しい5時間を過ごしました。 ■名残惜しいなか、23時すぎ、来年の再会を誓って散会しました。

101【2007年6月2~3日】■「千手院」でお会いした皆さんへ←clickでalbumへ

  • Cimg1428
    ■朝護孫子寺にて撮影した写真のほとんとを追加しました。ご高覧下さい。 ■2007年6月2~3日、「賢人会」のmember谷山・中嶋両氏と大和七福神・八宝廻りをしました。 ■七福神の一つ毘沙門天を祭る「信貴山朝護孫子寺」の宿坊【千手院】で一泊。 ■そこで、ご一緒した皆さんとの楽しかったひとときをアルバムにしました・・。      * * * ■瀬尾君、浅田さんとそのお供達の皆さんへ、「感想をお聞かせ」頂ければ幸甚です。 ▼『【時習26回3-7の会】のブログ画面』の【左上欄外】の「メール送信」を左clickして頂くと、今泉宛のmail address ~ < si886@nifty.com > ~ が開きます。 どうぞ、ご気軽に感想をmailにてお知らせください。 ▲【2637の会】のURL・・・  → URL: http://jishu2637.cocolog-nifty.com/blog

最近のコメント

無料ブログはココログ