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2010年2月13日 (土)

【時習26回3-7の会 0277】~「阿川弘之『大人の見識』を読んで」から「『鈴木貫太郎』と『吉田茂』」

■今泉悟です。 皆さん如何お過ごしですか。
 今日02月13日午前11時から、 Canada で vancouver五輪が開幕しました。Figure skater の三人、豊橋出身の鈴木 明子(すずき あきこ、1985.03.28 - )選手や名古屋出身の浅田真央(あさだ まお、1990.09.25 - )選手、同じく名古屋出身の安藤 美姫(あんどう みき、1987.12.18 - )選手をはじめ日本人選手の活躍を期待したいところですネ。

[01]鈴木明子
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[02]浅田真央
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[03]安藤美姫 
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 さぁ、今日も【2637の会】《会報》【0277】号をお送りします。
 今日最初にお伝えすることは【時習26回】関連でのお願いです。実は、来る04月17日(土)に、【2637の会】《クラス会》会場となっている豊橋駅前大通2丁目開発ビル地階にある「トライ・アゲイン」にて「『時習26回卒業40周年記念旅行』に向けて」の集いを計画しています。
 【2637の会】membersで、豊橋市及び同市近郊にお住まいの皆さん宛に、一両日中に参加依頼の mail を配信する予定です。
 奮ってご参加下さい。五年に一度の event です。楽しいひとときを過ごすべく、楽しい「卒業記念旅行」を皆さんと一緒に企画・立案しましょう。
 今回は、その第一弾! 「みんなで楽しく集う会」ただそれだけの会にするつもりです。宜しく!

 さて今日も、【2637の会】関連のニュースはございません。
 という訳で、今回の《会報》【0277】号では、前号に引続き、最近小生が読んだ本の中からご紹介させて頂きます。

[04]鈴木貫太郎
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[05]内閣総理大臣鈴木貫太郎
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[06]吉田茂
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 具体的には、掲題・副題にあります様に、「阿川弘之著『大人の見識』〔新潮新書〕」の中からとても興味深い「『鈴木貫太郎』と『吉田茂』」の episode をご紹介させて頂きます。余談ですが、先程「来る04月17日」と申し上げましたが、『鈴木貫太郎』氏の命日が04月17日なのです。
[07]阿川弘之氏
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[08]阿川弘之著『大人の見識』
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[09]阿川佐和子氏
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 「本土決戦」回避を実現させた、負けっぷりのいい負け方を実践して、平和を導いてくれた宰相『鈴木貫太郎(1868.01.18 - 1948.04.17)』。彼の命日が、4年半後の「卒業記念旅行」向けての立ち上げになるのも、何かの縁と思い、気が引き締まる思いがします。
 それでは、早速、阿川弘之氏の『大人の見識』の一部をご紹介させて頂きます。阿川氏は1999年の文化勲章受章者で、女優, essayist 阿川佐和子氏の父君であることは有名ですね。では、どうぞ・・

【老人の不見識 ~ 序に代えて】
 〔前略〕まず、テレビを取り上げたいんだけど、かつて大宅壮一さんが、テレビによって日本人は、「一億総白痴化」すると警告した。その通りの状態になりかけてやしませんか。静かに何かを語りかける様な質実な番組、本当に少ない。NHKを含めてどのチャンネルに切り替えてみても、ワァワァ、ゲラゲラ、人気タレントの馬鹿笑いばかり聞こえて来る。自分達だけで面白がって大声あげて騒いでいる様に思えるんだが、何ですかね、あの下品さは。
 テレビの持つ影響力は大きいのです。あんな調子でタレント達が乱れた言葉を喋るのを聞き続けていると、何百万何千万もの人が知らず知らず感化されて、日本語の美しさは失われ、我国伝統文化の根幹が壊されてしまうと思う。視聴率を稼ぐ為に、producer やテレビ局の役員達は、国民の最も level の低い層へ焦点を合わせているつもりかもしれませんが、本来日本人の民度はそこまで低くないと私は思うのです。〔中略〕

〔第一章 日本人の見識〕
【国家の品位】
 第二次世界大戦中の英国のしぶとさを考えて、誰しも思い浮かべるのは、国王ジョージ六世(George VI, Albert Frederick Arthur George Windsor, 1895.12.14 - 1952.02.06)の顔ではなく、チャーチル(Sir Winston Leonard Spencer-Churchill, 1874.11.30 - 1965.01.24)首相のあの不敵な面魂(つらだましい)ではないでしょうか。同じ様に、戦う大日本帝国の image として世界中の人が頭に浮かべたのは、天皇ヒロヒトの顔より、醜く deformer されたトージョー(東條英機)の容貌だったと思います。
 九年前二・二六事件で瀕死の重傷を負うた七十七歳の鈴木老首相の顔写真や似顔絵が、海外の新聞雑誌に載ることはあまりなかっただろうから、今度の場合、その人柄が示したのは顔貌ではなく、ちょっとした儀礼的 message ですが、驚くべきことにそれが、世界の人の日本に対する印象を一変させるのです。その経緯は小堀桂一郎氏の名著『宰相 鈴木貫太郎』(昭和57年、文藝春秋)に詳しく書かれています。小堀さんは、「首相の持つ品位が、海外では屡ゝ(しばしば)国家そのものの品位として受け取られる」という言い方をしてますがね ―。
 鈴木内閣成立後の五日後、アメリカ大統領フランクリン・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt, 1882.01.30 - 1945.04.12)が急逝しました。その時鈴木首相が同盟通信を通じて出した statement は、Roosevelt の政治的功績を認め、「深い哀悼の意をアメリカ国民に送る」というだけの簡単なものでしたが、それが、世界各国で意外に大きな反響を呼んだ。
 まず、スイスの新聞『バーゼル(Basel)報知』の主筆が、
「敵国の元首の死に哀悼の意を捧げた、日本の首相のこの心栄えは眞に立派である。これこそ日本武士道精神の発露であろう。ヒトラー(Adolf Hitler, 1889.04.20 - 1945.04.30)が、この偉大な指導者の死に際してすら誹謗の言葉を浴びせて恥じなかったのとは、何と言う大きな相違であろうか。日本の首相の礼儀正しさに深い敬意を表したい」
 と、社説で賛辞を発表したのに続いて、アメリカ亡命中のトーマス・マン(Paul Thomas Mann、1875.06.06 - 1955.08.12)が、ドイツ国民に語りかける。
「これは呆れるばかりのことではありませんか。日本はアメリカと生死をかけた戦争をしているのです。あの東方の国には、騎士道精神と人間の品位に対する感覚が、死と偉大性に対する畏敬が、まだ存在するのです。これが(ドイツと)違う点です。ドイツでは十二年前(【小生注】1933年のHitler内閣成立)に一番下の者、人間的に一番劣った、最低の者が上部にやって来て、国の面相を決定したのです」
 マンは、〔中略〕BBCを通して毎週定期的にドイツ国民向けに放送をしていたのです。
『Basel 報知』の主筆に感銘を与え、Thomas Mann に驚きを与えた鈴木 message が、和平探求の密かな signal であったかどうかは、今以て不明の様ですが、その人に備わる人間としての品位が Hitler やトージョーと違うということは、他国の人にも直ぐ分った。そうして、小堀さんが言う様に、それがその儘国家の品位と受け取られ、あの東方の国にはまだ騎士道精神が存在するという解釈になりました。〔中略〕
 この(鈴木)総理大臣には、特定の人以外皆騙された。東條や平沼騏一郎や、右よりの重臣達を始め、外務省の和平派も、言わば身内に当る海軍の良識派士官達も全部ギリギリまで騙されていた。〔中略〕
 御本人の戦後の述懐を令息の鈴木一氏が纏めた『鈴木貫太郎自伝』(でこう述べている)。
「国家そのものが滅亡して果たして日本人の義は残るであろうか。ローマ(Roma)は滅びた。カルタゴ(Carthago)も滅びた。カルタゴなどは〔中略〕一塊の土と化しているに過ぎないではないか。余はこの儘戦争を継続して行けば、日本の滅亡は誠に明らかなことであると常々考えていた。今日の戦局の惨憺たる有様は、余には理の当然で、むしろ着々として戦略の正しい推移を物語っているに過ぎないと考えられるのであった」
「いやしくも名将は特攻隊の力は借りないであろう。特攻隊は全く生還を期さない一種の自殺戦術である。こうした戦術でなければ、戦勢が挽回出来なくなったということは明らかに敗けである。だが敗けるということは滅亡するということとは違うのであって、その民族が活動力さえあれば、立派な独立国として世界に貢献することも出来るのであるが、玉砕してはもう国家そのものがなくなり、再分割されてしまうのだから、実も蓋もない」
「戦争というものはあくまで一時期の現象であって、長期の現象ではないということを知らねばならない。この点に関して日本の戦争指導者は、初期においては電撃戦を唱え、三ヶ月で大東亜全域を席捲してみせると称し乍ら、太平洋の広さを忘れ、長期化し、ついには本土決戦を怒号し、一億玉砕にまで引き摺って行こうとしたのである。これは、もはや戦争とは言えない。原始人の闘争にしか過ぎない」
 卓を叩いて「あくまで戦う」と叫んだりしたのは、やはり鈴木さんの、一世一代の大芝居だったんだと、読者の納得が得られたかどうか。何しろ軍の強硬派は、広島長崎への爆弾投下、ソ連の参戦という非常事態に直面して尚、本土決戦一億玉砕の主張を翻さなかったのです。鈴木さんは逆に、この悲惨事を好機として一挙終戦に持ち込むんですが、もしそれも失敗に終わったら、日本はどうなっていたと思いますか? 団塊の世代なんてものは、今日存在しないんですよ。全国各地で沖縄戦と同じ状況が繰り広げられて、陸海軍の将兵はもとより、女子挺身隊の若い娘達も次から次へ斃れて行く。天皇御一家は松代(まつしろ)大本営の地下壕へ無理矢理移されて、最後は両陛下も皇子皇女も、刺し違えたり毒を仰いだりしてお亡くなりになる。二千年の歴史を持つ東洋の君主国は、文字通り滅び去ったでしょうね。

【小生comment】
 これに続いて阿川氏は、吉田茂の episode を述べているのですが、長文になってしまいますので、この続きは次号のお楽しみと致しましょう。 
 それにつけても、為政者、政治的指導者とは、「鈴木貫太郎」氏や「吉田茂」氏の様に、身命を賭して国家・国民の幸福の為に尽くす人でなければならない。最近小生、西郷隆盛の生き方が素晴らしく思えるのであるが、彼が素晴らしいのは、全く「利己」がなく「利他」に徹しているからである。「徳」を備えているからである。現世の政治家の不祥事は、その「徳」がない、「徳」らしいものさえもないお粗末さが齎した結果なのであろう。
 次号《会報》では、以上の点につき、稲盛和夫著『生き方』を一緒にご紹介して見たい。

[10]我が家の庭に咲いた白梅 2010.02.13
10100213

[11]我が家の庭に咲いた紅梅 2010.02.03
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 添付写真は、今日、拙宅の庭に咲いた白梅(添付写真[10])と紅梅(同[11])である。当地豊橋も、『鬼祭り』が終わり、いよいよ「春」が到来した様だ。
 では、また・・。(了)

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