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2010年2月20日 (土)

【時習26回3-7の会 0278】~稲盛和夫著『生き方』を読んで

■今泉悟です。 時節は、昨日19日が先週もお伝えした様に「雨水」。ここまで来ると本格的な「春」が待ち遠しいですね。
 皆さん一週間如何お過ごしでしたか。さぁ、今日も【2637の会】《会報》【0278】号をお送りします。

 今回は、まず先日豊橋地区の時習26回生の皆さん宛中心に配信させて頂いた【時習26回卒業40周年記念旅行へ向けての集い〔第1回〕】のご案内の件からご報告致します。今日20日午後07時現在、出席表明して下さった方々は全部で07名。
〔内訳は、[01組]01名、[02組]01名、[04組]01名、[07組]02名、[08組]01名、[09組]01名、です〕配信後、一週間足らずで07名の皆さんが参加表明下さいました。 幹事として大変嬉しく、そして心強く思います。【2637の会】members の皆さんからの一人でも多くの出席表明をお待ちしています。m(_ _)m

 さて、今日も先週に引続き、阿川弘之著『大人の見識』から、今日は〔その2〕~『吉田茂』の episode をお伝えしようと思いましたが、もう一つご紹介するとお約束した稲盛和夫著『生き方』が予想以上に volume が嵩んだ為、今回は取止めました。
次号に carry します。悪しからずご了承下さい。

Photo

 それでは、稲盛和夫著『生き方』をご紹介します。この本は、2004年08月初版ですから、もう5年半前のものですが、最近、新聞の広告欄で「最近再び人気上昇中」とあったことと、同氏が日本航空再建の旗頭として世間の注目の人となったことに興味を惹かれ読んで見ました。なかなかいい本でした。
 前々号でご紹介した「五木寛之『人間の運命』」との違いや共通点を意識し乍ら読み進めているうちに、稲盛氏の話の中にどっぷりと惹き込まれてしまいました。
本書は、彼の長年に亘る豊富な経験、即ち、

 ①中小企業のサラリーマン時代にセラミックの「研究者」として
 ②京セラ創立後間もない頃の「起業家」として
 ③大企業に成長した京セラやKDDIのトップ時代の「企業経営者」として
 ④65歳に仏門入った頃の「修行者」として

様々な経験を重ねた、苦労人&成功者の実体験を礎にした、人間が人間として「生き抜く方法」を熱く語ってくれています。
 所謂、俗物的な出世や物質的な成功者になる為の処世術を身に付けるのではないところがこの本の魅力です。
 いろいろ興味深いことが書かれていますので、どれをどの位ご紹介したらいいか大変迷いましたが、思い付く儘、その essence をご覧に入れたいと思います。
それでは、早速ご覧下さい。

〔 prologue 〕
【混迷の時代だからこそ「生き方」を問い直す】
 私達は今、混迷を極め、先行きの見えない「不安の時代」を生きています。豊かな筈なのに心は満たされず、衣食足りている筈なのに礼節に乏しく、自由な筈なのに何処か閉塞感がある。やる気さえあれば、どんなものでも手に入り何でもできるのに、無気力で悲観的になり、中には犯罪や不祥事に手を染めてしまう人もいます。
 その様な閉塞的な状況が社会を覆いつくしている・・そう言う時代に最も必要なのは、「人間は何の為に生きるのか」という根本的な問いではないかと思います。
〔中略〕生きる指針としての「哲学(≒理念・理想)」を確立することが必要なのです。〔中略〕
 世間には高い能力を持ち乍ら、心が伴わない為に道を誤る人が少なくありません。〔中略〕
 (しかし、)才覚が人並み外れたものであればあるほど、それを正しい方向に導く羅針盤が必要となり、その指針が哲学なのです。
 【人格=性格+哲学】で表わせると、私は考えています。人間が生まれ乍らに持っている「性格」と、その後の人生を歩む過程で学び身につけて行く「哲学」の両方から、「人格」というものは成り立っている。つまり、「性格」という先天性のものに「哲学」という後天性のものを付け加えて行くことにより、私達の人格 ― 心魂の品格 ― は陶冶されて行く訳です。〔中略〕

 《 人生の方程式 》 : 〔人生・仕事の結果〕=〔考え方〕×〔熱意〕×〔能力〕

 つまり、人生や仕事の結果は、これ等三つの要素の「掛け算」によって得られるものであり、決して「足し算」ではないのです。

〔第一章 思いを実現させる〕

【隅々まで image できれば実現できる】
 〔前略〕「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」ことが物事を成就させ、思いを現実に変えるのに必要なのです。

【運命は自分の心次第という心理に気付く】
 〔前略〕「運命」というものは、私達の生のうちに厳然として存在します。しかしそれは〔中略〕心の有り様によって如何様にも変えていけるものです。〔中略〕人生は自分でつくるもの・・〔中略〕これを「立命」と表現しています。〔中略〕諦めずにやり通せば成功しか有り得ないのです。

【努力を積み重ねれば平凡は非凡に変わる】
 〔中略〕千里の道を一歩からで、どんな大きな夢も一歩一歩、一日一日の積み重ねの果てに、やっと成就するものです。〔中略〕今という瞬間瞬間に全力を傾注して生きることによって、その時見えなかった未来や姿がやがて自然に見える様になってくるものです。〔中略〕
 但し、継続は「同じことを繰り返す」ことではなく〔中略〕、必ず改良や改善という「創意工夫する心」が成功へ近づく speed を加速させるのです。

【溢れるほどの夢を描け、人生は大飛躍する】
 私達はいくつになっても夢を語り、明るい未来を描ける人間でありたいものです。夢を抱けない人には創造や成功が齎されることはありませんし、人間的な成長もありません。何故なら、夢を描き、工夫を重ね、直向(ひたむき)に努力を重ねて行くことを通じて、人格は磨かれて行くからです。そういう意味で、夢や思いというのは人生の jump 台である ― そのことを強調しておきたいと思います。

〔第二章 原理原則から考える〕

【「好き」であればこそ「燃える」人間になれる】
 〔中略〕「好き」こそが最大の motivation であり、意欲も努力も、延いては成功への道筋も、みんな「好き」であることがその母体になるということです。

〔第三章 心を磨き、高める〕

【日本人は何故その「美しい心」を失ってしまったか】
 〔中略〕大手企業の top、幹部、官僚、みんな人並み優れた能力に恵まれた人達ばかり・・なのに、何故不祥事や汚職が後を絶たないのか。それは、才を私物化してしまったからにほかなりません。自分に備わる能力を天からの借り物でなく私有物と考えて、公の利でなく、私利私欲のために発揮したからなのです。

【Leader には「才」より「徳」が求められる】
 〔前略〕不祥事を起こした elite 達は皆、〔能力〕、〔熱意・使命感〕は人並み以上であったのですが、〔考え方〕に問題があったのです。〔中略〕〔考え方〕とは、生きる姿勢、つまり哲学や思想、倫理観等のことであり、それ等を全て内包した「人格」のことでもあります。〔中略〕その「人格」が歪み、邪(よこしま)なものなれば、いくら〔能力〕や〔熱意〕に恵まれてようが〔中略〕齎される結果の「負」の値は大きくなってしまうのです。〔中略〕
 かつての日本人は、もう少し、〔中略〕「大きなものの考え方」をしていたものです。〔中略〕西郷隆盛も、「徳高き者には高き位を、功績多き者には報奨を」と述べています。つまり功績にはお金で報いればいい、人格の高潔な者こそ高い地位に据えよといっているのです。〔中略〕今日にも十分通用する普遍的な考え方と言えます。
〔中略〕
 道徳の崩壊、moral 喪失が言われる昨今こそ、こうした言葉の意味を肝に銘じるべきでしょう。人の上に立つ者には才覚よりも人格が問われるのです。〔中略〕
【常に内省せよ、人格を磨くことを忘れるな】
【心を磨く為に必要な「六つの精進」】
 様々な苦を味わい、〔中略〕一度きりしかない現世の生を懸命に生きていく。〔中略〕その体験・過程を磨き砂として己の心を磨き上げ、人生を生きはじめた頃の魂よりも、その幕を閉じようとする時の魂の有り様を僅かなりとも高める ― それが出来れば、それだけで我々の人生は十分に生きた価値があるというものです。〔中略〕
 心を磨く指針として、私は自らの経験から次の様な「六つの精進」〔中略〕(を)説いて来ました。

 ①誰にも負けない努力をする
 ②謙虚にして驕らず
 ③反省ある日々を送る
 ④生きていることに感謝する
 ⑤善行、利他行を積む
 ⑥感性的な悩みをしない

【労働の意義、勤勉の誇りを取り戻そう】
 〔中略〕人は仕事を通じて成長していくものです。自らの心を高め、心を豊かにする為に、精一杯仕事に打ち込む。それによって、より一層自分の人生を素晴らしいものにしていくことが出来るのです。

【小生comment】
 「仕事」とは、「世の中、社会の為に『役立つ』行い」のことと言える。「役に立つ」ことにより、自分の心を高めることが出来、成就した時の達成感が心を豊かにするのである。有償の「役立つ」行いが「仕事」であり、無償のそれをvolunteer という、と小生は思う。
 稲盛氏は、「人間は、自分の持っている魂を、生れて来た時も死ぬ時は少しでもgrade up することが大切であり、その為に『仕事を通じて、地道に「心を磨く」努力を積み重ねよ、さすれば必ず魂の grade up は達成出来る』と述べ、話題は、仏教、そして宇宙の普遍的真理へと発展・昇華していく・・。

〔第四章 利他の心で生きる〕
〔略〕

〔第五章 宇宙の流れと調和する〕

【人生を司る見えざる大きな二つの力】
 人生には、それを大本で統御している「見えざる手」がある。しかもそれは二つあると私は考えています。
 一つは、「運命」です。人は夫々固有の運命をもってこの世に生まれ、それがどの様なものであるかを知ることができない儘、運命に導かれ、或いは促されて人生を生きて行く。〔中略〕私はこの運命の存在は厳然たる事実であると考えています。〔中略〕
 もう一つ、見えない大きな手がある・・〔中略〕それが「因果応報の法則」です。
 つまり、よいことをすればよい結果が生じ、悪いことをすれば悪い結果が生れる。〔中略〕
 第一章で「心が呼ばないものは近づいて来ない」、即ち人生は心が思い描いた通りのものであるということを述べましたが、それもこの「因果応報の法則」によるものです。
 また第三章で、心を磨き、高めることの大切さを強調したのも、この因果律に従えば、高められた善き心というものが、善き人生を齎す要因となるからに他なりません。
 運命と因果律。その二つの大きな原理が誰の人生をも支配している。〔中略〕
 ここで大事なのは、「因果応報の法則」の方が「運命」より若干強いということです。人生を律するこれ等二つの力の間にも力学があって、因果律の持つ力の方が運命の持つ力を僅かに上回っている。そのため、私達は、持って生れた運命でさえも ― 「因果応報の法則」を使うことで ― 変えて行くことが出来るのです。
 従って、善きことを思い、善きことを行なうことによって、運命の流れを善き方向に変えることが出来る。人間は運命に支配される一方で、自らの善思善行によって、運命を変えて行ける存在でもあるのです。

【「因果応報の法則」を知れば運命も変えられる】
 運命と因果律は相互に干渉し合う。従って、運命的に大変悪い時期に少し位良いことをしても、運命の強さに僅かばかりの善行が打ち消されて、良い結果には結びつかない。同様に、運命的に非常に良い時期に少々悪いことをしても、なかなか悪因悪果とはならない〔中略〕

【結果は焦るな、因果の帳尻はきちんと合う】
 「因果応報の法則」というものが見づらく、それ故に容易に信じることが出来ないのは、物事を短い span でしか捉えていないからです。ある思いや行いが結果として表れて来るには、やはりそれ相応の時間がかかり、二年や三年といった短い単位では結果は出にくいものなのです。
 しかし、それも二十年、三十年といった長い単位で考えれば、きちんと因果の帳尻は合っているものです。〔中略〕ほとんどの人が日頃の行いや生き方に相応しい報果を、夫々の人生から得ているのです。
 長い目で見れば、誠実で善行を惜しまない人物がいつまでも不遇に留まることはないし、怠け者でいい加減な生き方をしている人がずっと栄えていることもありません。〔中略〕

【偉大な力が全てに生命を吹き込んでいる】
 生命は、偶然の重なりではなく、宇宙の意志による必然の所産である。こういう考え方は格別珍しいものではありません。〔中略〕(世界的な遺伝子研究の権威である)筑波大学名誉教授の村上和雄先生は「something great 」という言葉で、大いなる創造主の存在を明言されています。〔中略〕
 「something great」、それは何ものであるかは判らないが、宇宙や生命をつくり出した偉大な存在のことです。〔中略〕
 私達人間は、その様な偉大な存在から生命を拝借し、使用しているに過ぎないということになります。〔中略〕そうした科学の物差しでは計れない不可知な力と知の存在を信じ、日々を生きて行った方がいいと私は考えています。それが人生の成否を決するばかりでなく、人間から傲慢の悪を消し、謙虚という徳と善を齎すからです。
〔※ 【小生注】something great については、《会報》【0276】号「三浦朱門&曽野綾子著『夫婦口論』」にて三浦氏が述べていた・・〕

【人のあるべき「行き方」を目指せ、明るい未来はそこにある】
 まず、自分自身が、またその様にして一人でも多くの人々が、夫々与えられた崇高な使命を理解し、人間として正しいことを正しい儘に貫き続ける。その様な「生き方」の向こうには、必ず光り輝く黎明の時を迎えることが出来る、私はそう信じています。(了)

【小生comment】
 稲盛氏の以上のお話は如何でしたか。読み方次第では、説教臭くもなりますが、小生には、非常に分り易い哲学書である、と感じました。
 彼の様な「生き方」をすれば、我々に残された人生も、「まだまだ未来が明るく輝いて見えて来る」。
 元気に毎日を過ごして参りましょう。では、また・・。(笑)

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